
こんにちは!訪問STのツバメです。
みなさん。リハビリ職ってやりがいのある仕事だけど…マジで給料が上がらない!
そう思いませんか。
そんなときに検討すべきなのが、訪問リハ(訪問看護ステーション)への転職です。
僕は「病院→訪看」と転職してみて初めて、訪看の高待遇傾向に気付きました。
- 訪問リハの給料はぶっちゃけ幾らくらいか
- 訪問リハが高待遇になりやすい理由
- 訪問リハ求人を見逃さない為の準備
※ここでいう「訪問リハ」とは「訪問看護ステーション」勤務での訪問リハビリです
訪問リハの年収はぶっちゃけ幾らくらいか?


訪問(訪看)リハ。いくら位貰えるのでしょうか?
具体的な金額として年収は400万〜500万以上といった感じです。
訪問看護ステーション:求人年収の相場変化
2018年位のピーク時 | 年収450万〜500万弱での募集も多かった |
2022年 | 年収400万代前半くらいがほとんど(東京の訪問看護ステーションで) ※別途残業などは加味される場合あり |
高待遇が落ち着いてきたのは、現場の人材が確保されてきたことも要因だと考えられます。
ただ、前に僕がいた回復期病院では課長クラスでようやく400万超える感じでした。訪問リハは一般職員で400万を超えてくるので、やはり高待遇です。



今だに年収400万を超えやすいのが訪問リハ。
実例:訪問リハ転職で、月の給料が14万円アップ(言語聴覚士)


下記の給与アップ例は、訪問看護ステーションに転職した方のものです。
なんと月給で14万の差があります。無茶苦茶でかいですね!
訪看に転職して給与アップした例
病院勤務 | 月給:約21万円 |
訪問勤務 | 月給:約35万円 |
上記動画「sakanaの健康チャンネル」さんが、訪門リハでの給料をぶっちゃけてくれた金額です(動画11:24〜)
訪問リハの給料はなぜ高いのか? 2つの理由を解説


①:病院と比べ固定費が安い
訪問リハの方が給与が優遇されやすい理由のひとつは、固定費が小さいことです。
訪看は固定費が少ない分、社員に還元しやすいですね。
病院や施設→「大規模な固定費がかかる」
訪問看護ステーション→「アパートの1室から経営が可能」
そもそも病院などでは「セラピストの待遇を上げるつもりがない」施設も多いです。そんな余裕ないんですよ。
「安い新卒セラピスト」を使い回して、ある程度の年数で辞めてもらった方が財政的に楽なんです。残念ながら、そういう施設にいても給料が上がる見込みは低いです。



管理職以外は「ほとんど若手」みたいな職場、ありますよね。
納得いかない中堅が辞めやすいシステムです。
②:訪問リハはインセンティブ制を導入している職場もある


上記の図解は、インセンティブ制度のある訪問看護ステーションの求人実例です。
訪問件数を多くこなすと、1件につき数千円など、給与に上乗せされるんです。
仕事や移動に慣れてくれば、一日の訪問件数を増やすことも可能です。そして、件数が増えるほど収入が上がる仕組み。歩合制に近いですね。
ちなみに、上記の金額は「実際の求人」から拝借したものです。リハ職でも年収500万以上が狙えます。



病院では1日20単位以上取ろうが、給与は一定ですよね。
パートでも高時給な訪問リハ


訪問リハはパート勤務でも高単価を得やすいです。
1件の訪問(60分)で3,500円以上の報酬が貰えるステーションも割とあります(僕のとこもそうです)。
移動時間を加味しても時給換算で2,500円以上とかです。歩合制のパートで稼働しまくると、下手したら年収が正職員より高くなる可能性すらあります。
※訪問パート勤務は「マイカー稼働」が条件の場合もあります。
パート勤務のメリット・デメリットは別記事で詳しく解説してます


そもそも理学療法士・OT・STの給料は、日本全体の平均より安い


日本平均とリハビリ職の年収比較
日本全体の平均年収 | 436万円 |
リハビリ職の平均年収 | 411万円 |
国税庁の発表によると、日本全体の平均年収は436万円。
これに対し、リハ職の平均年収は411万円と少し低めです。
そして訪問リハビリの年収は400万〜500万程度と言われています。



それぞれを、もう少し深掘りしますね。
日本全体での平均年収は436万円
国税庁の発表によると、日本全体の平均年収は436万円。
この調査は建設業・製造業・サービス業など、14の業種に分類されているんですが、「医療・福祉」は14業種中9位。
医療・福祉の業種平均は401万円。そもそも医療・福祉自体が、給料が低めの業種です。
参考:国税庁「民間給与実態統計調査結果」令和元年分
理学療法士などリハ職の平均年収は411万円
厚生労働省の発表から算出すると、リハ職の平均年収は411万円くらい。
医療・福祉全体の平均、401万円よりは少しだけ高いです。かなり規模のデカい組織だと少し高めの傾向ではあります。
組織の規模によって若干の差はある
- 408万5000円(10人以上)
- 405万4700円(100〜999人)
- 420万6100円(1000人以上)
参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和2年
理学療法士・OT・STの給料が安いままの理由3つ


ここからは「そもそも、なぜセラピストの給料は上がらないのか?」を深掘りします。
みなさん、働くなかですでに痛感はしている事実だとは思いますが、理由を整理すると以下の通りです。
セラピストの給料が上がらない理由3つ
- 国からの診療報酬は新人でもベテランでも同じ
- 昇進のポジションが無い。特にPTは飽和状態
- 診療報酬は年々下がる傾向にある
①:国からの診療報酬は新人でもベテランでも同じ
どんなにウデを上げても、国から出る診療報酬は一定。これがリハ職の給料が上がならない最大の理由です。
実際に働くなかで、「誰が介入しても報酬は同じだからね」という話題を耳にした人も多いはず。



診療報酬が据え置きな限り、施設側としても給料アップは難しいですよね。
②:昇進のポジションが無い。特にPTは飽和状態
昇進のポジションが無い。これも給料が上がらない大きな理由です。
毎年ガンガン昇給していく仕事なんて、ほとんどありません。一般企業も含めて、多くの人は「役職につく」ことで収入がアップします。
そして「リハ部」のなかの役職って部長・課長くらいしかありません。主任クラスの手当なんてごくわずかです。



昇進したいなら、同年代のセラピストの中で「一番の出世頭になる必要」がありますね。結構ハードです。
③:診療報酬の改定は、リハ職に厳しい内容が続いている


リハビリ職の売り上げは診療報酬に依存しますが、これは国の一存で決まります。「国家資格=国に守られてる」のと同時に「国の判断には逆らえない」ということです。
診療報酬は2年ごとに改定。リハ報酬的には厳しい内容が繰り返し施行されています。
例えば2019年4月以降、算定日数を超える患者さんは「介護保険でのリハビリ」しか受けられなくなりましたよね。
「患者を早く退院させて地域に戻そう」という流れは年々強くなってます。対応する医療機関からしたら収入のやりくりが大変です。
参考:厚生労働省「令和4年度診療報酬改定について」、ソラストオンライン「ニュース解説」



地域で動ける人材になるのは、セラピストとして生き抜く為の課題ですね。
過去にもあった大きな改定
例えば今でこそ「脳血管障害で180日まで」など、リハ介入には日数制限がありますが、昔は制限とかなかったんですよ(2006年から改定)。この改定は当時、現場にかなりの混乱を生みました。売り上げが大きく下がりますからね。
参考:全日本民医連「リハビリ治療に日数制限! 診療報酬改定で現場も患者も大混乱」
仮に報酬改善があっても上げ幅は少ない
2021年からの経済対策で「介護・看護分野の賃金アップ」が行われるようですが、月数千円程度にとどまります。今後リハ職も賃上げ対象になるかもしれませんが、金額は微々たるものでしょう。
参考:TBS NEWS「看護師ら月額4,000円賃上げへ」
訪問リハの求人を見逃さないための準備3つ


今ならまだ年収アップを狙いやすい訪問(訪看)リハ。
しかし、ひと昔前ほど「どこでも高待遇」という状況ではなくなっていきています。
以下の3つは特に大事な準備です。
①:SNS・知人経由の求人情報にはアンテナをはっておく
転職する際に、一番手堅く「良い職場にいける可能性が高い」のは知人経由での入職です。より詳しく内情が知れますからね。求人票には、不都合なことが書いてない場合もあります。



転職で頼れるツテがあるなら、絶対使った方がいいです。
また、TwitterなどのSNSで求人募集をかけている訪看もありますよ!
\ TwitterのDMで相談も受けてます〜/
②:転職サイト・エージェントに登録する


リハビリ職向けの転職エージェントには非公開求人があります。好条件な求人など、サイト登録者だけに情報開示するんです。
そもそも情報がないと応募すらできないですし、エージェントの利用は無料。機会損失を防ぐ為にも、登録だけはしておいたほうがいいです。
自分ではやりづらい給与面などの「条件交渉」を任せられるのもメリットですね。
例えば、「PTOT人材バンク」などがリハ転職に特化したエージェントの代表例ですね。
別記事でリハ職向けエージェントの選び方を解説してます。





エージェントに登録すれば「インセンティブがある訪問リハを紹介してください!」みたいなお願いも可能です。
③:ハローワークの情報を定期的にチェックする


ハローワークの求人も、チェックしておくべきです。案外、地場の掘り出し求人が見つかったりします。
別記事でハローワークの求人検索方法も解説しているので、参考にして下さい。


転職エージェント利用者でも、訪問リハ転職者が年々増加中
上の動画は「マイナビコメディカル」と「リハノメ
この動画でも、病院から訪問看護ステーションへの転職者は年々増えていると語られています。(動画42:36〜)
やはり「年収アップ」を希望する人は、最終的に訪看を選ぶケースが多いです。
マイナビ動画は、要点を別記事で解説しています!


給料が低いと悩む理学療法士・OT・STは訪問リハ転職を検討しよう!


以上、「訪問(訪看)リハの給料が高くなりやすい理由」の解説でした。
収入の問題は、職場を変えれば解決する可能性があります。現状に満足できないセラピストさんは、早めにどんどん行動していくべきだと思います。
「リハビリ職=やりがいのある仕事」だと僕は思います。仕事を安心して続けられる選択をしていきたいですよね。



そもそも、僕は訪問リハの仕事が楽しいです!
合う人にはピッタリの仕事だと思います。
訪問リハの実情などは別の記事で解説しています!
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