訪問ST(言語聴覚士)のツバメです。
Twitter経由や、知人から「訪問リハってきつくない?」と質問されることがあります。
訪問リハは病院よりも大変そう…
ひとりで回るのって大変じゃない?
今回は、実際に訪問リハ(訪問看護ステーション)で働いてる側の視点で「きつい・しんどい」と思うポイントを解説します。
なので、なぜ訪問リハが楽だと思うのかも解説しますね。
訪問リハの仕事で、きつい・しんどいポイント
実際に訪問リハ(訪問看護ステーション勤務)で働くなかで、「ここはしんどいかも」と思えるポイントを挙げていきます。
1日のスケジュールは結構ギチギチ。だけどカンファ等が少ないのは楽
上記は、ウチの訪問看護ステーションのOTさん(フルタイム)のスケジュールです。
パッと見た感じ、常にリハか移動でギチギチですね。
しかし、病院と違いこまめなカンファとかは少ないです。その点は楽だといえます。
単位数でいうと15単位前後になることが多いですね。
また、必ず1対1、もしくは家族同席で介入することになります。家族同席にプレッシャーを感じる人は、きついと感じるポイントかもしれませんね。ただ、正直これは「慣れ」というか、訪問リハは家族指導してナンボです。
病院勤務とかで「たまに来る家族」に接するプレッシャーとは違います。在宅では、ご家族が頼れる存在であることも多いです。
記録を書く時間が少ないと、しんどいかも。タブレットが導入されてると楽
1日のほとんどは「リハ介入」か「移動」で埋まります。なのでカルテを書く時間がほとんどないことも。
タブレット端末が支給されているステーションだと、だいぶ楽です。
どこでもカルテ記入ができますし、リハ介入時に簡単なメモもとっておけます。
「カルテは事務所で記入」という方式だと時間的にキツいです。
ウチはタブレット使ってますが、写真での情報共有も出来て便利です。
ケアマネとの電話連絡などが多いときつい
ケアマネとの連絡内容
- 状況報告
- 担当者会議の調整
- ケアプランの変更について
「福祉用具業者」などと直接やりとりする場合もあります。
ウチは社用携帯が無いので、ケアマネさんなどには「事務所から連絡する」ようになっています。
でも事務所にほとんど居ないので、個人の携帯で連絡しちゃってる人もいます。
電話連絡などが多すぎて、プライベートとの境界も曖昧になると大変ですね。
移動の快適さは大きなポイント。自転車は体力的にきつい
車移動でも、夏・冬は移動時に体力を削られます。寒暖差にやられるんですね。
僕は自転車での訪問は経験ないのですが、経験者に聞く限り、自転車移動は体力的にキツいようです。
僕は車なので、移動時に音楽を聞いたりしてリフレッシュできてます。
月末の書類業務が多くてきつい
病院では、退院時のサマリーなどの書類がありますよね。
訪問看護ステーションでは、毎月の経過を主治医やケアマネさんに書類で報告します。
月末の書類業務
- 訪問看護「報告書」
- 訪問看護「計画書」
毎月、上記2点を作成して報告することになります。各利用者さんごとに作ります。
月末書類に求められるクオリティは、働く場所によって違います。僕のとこは上司が厳しくチェックしますが、友人のステーションは「ほとんどコピペでOK」だったりするようです。
毎月の「まとめ」みたいな書類ですね。
空き時間で少しずつ終わらせますが、締め切り前は書類作成のために少し残業している人もいますね。
人員が少ないところは、雑務の負担が大きくてきつい
リハ介入以外にも、社内的な雑務ってありますよね。
社内的な雑務
- 全体スケジュール管理
- 物品管理
- 月末書類の取りまとめ
- 社内勉強会などの準備
ステーションの人員が少ないと、ひとりあたりの担当雑務は増えるので大変です。
潔癖症タイプにはきつい環境の家もある
訪問リハで伺う家庭には色んなタイプがあります。ものすごい豪邸から、ちょっと衛生面に不安がある家庭まで様々です。
特に老老介護のご家庭は、掃除もままならないことがよくあります。
スリッパを持っていくなどの対処はできますが、潔癖すぎる人にはキツい場合があるかも。
ハウスダストがすごくて、くしゃみを連発することも。
あと、犬や猫が苦手な人は大変かも。結構飼ってる人多いです。
最重要ポイント:病院からの転職者は、考え方を変えられないときつい
訪問リハへの転職を検討している人の多くは、病院勤務だと思います。
病院でのリハ経験が、そのまま訪問でも活かせるといいですよね。でも、なかなかそう上手くはいきません。
例えば、お弁当を買いたい人がいるとします。
歩いてお弁当を買いに行きたいんだけど、その能力がない。
そんな時に「ひたすら歩行訓練」をするのか「宅配する方法を覚える」のか。
極端ですが、これくらい発想の違いがあります。
僕としては、後者の方が断然生活期的な考え方だと思います。
病院で機能訓練をしまくってた人こそ「ひたすら歩行訓練」を選んでしまいがちです。
その結果、生活はなにも変わらなかったりします。
訪問リハに向いている人
では、どんな人が訪問リハに向いているのか。
以下のような人は「訪問リハに向いている」と思います。
- 利用者の話をしっかり聞ける
- 自分で考えて動くのが好き
- 要点をまとめて上司に相談できる
- 出歩くのが好き
- 運転に自信がある
車移動の場合、「運転」が苦手な人だけは注意が必要かもしれません。基本的に慣れますが、命に関わりますからね。
「訪問リハに向いてるタイプ」については、この記事で詳しく書いています。
きつい思いをしないために。訪問リハで働く前に絶対確認したいポイント
訪問リハできつい思いをしない為、入職する前に「絶対に確認しておきたい」ポイントを解説します。
①カルテ記入のシステム
カルテ記入のシステムは、必ず確認した方がいいです。
個人にタブレットが支給されていると、場所を問わずカルテ記入できるので楽です。事務所に戻ってのPC入力では無駄な時間が生じます。
事務所記入でも、せめてパソコン台数は多い方がいいです。
「PCの台数が少なくて、奪い合い」とかはちょっとキツいです。
②リハ吸引対応の可否
リハが吸引対応をできるか、できないか。個人的には「できる」ほうが気が楽です。
なかにはリハ対応はしないステーションもあります。毎回家族に痰の吸引などお願いするのはストレスです。
できることは多いほうがいい、と思います。
③移動方法の確認。自転車はキツい
地域によって移動方法は異なると思いますが、自転車移動はキツいようです。
僕は車移動ですが、それでも夏・冬は苦労します。
特に夏場は、室内との寒暖差で体力を奪われます。
④直行&直帰ができるか
直行は事務所に出社せず、そのまま利用者宅に行くこと。直帰は、最後の現場からそのまま家に帰ることです。
直行&直帰が認められているかどうかで、かなり負担が変わります。家から直接現場に行けるので断然楽です。
ウチのステーションは直行&直帰OK。
家からの移動を前提にスケジュールを組んだりもしますよ。
訪問リハビリはきついのか? 個人的には病院より断然楽だと思う
訪問リハは、未経験者からみると「きつそう」「大変そう」なんてイメージもあるようです。
今回あげた「きつい・しんどい」ポイントはありますが、これはもう相性次第。
「合う人には、むしろ訪問リハのほうが楽」だと思います。僕も病院より訪問のほうが断然楽です。
- ひとりで行動する時間が長い
- ひとりの利用者さんと長く付き合えるケースが多い
- 移動時間でリフレッシュできる
あと、前に行ったST職場100人アンケートでも「訪問リハの満足度は異常に高め」でした。
以下は訪問STさんの本音コメントをまとめた記事です。参考にしてみてください。
「訪問リハ職場の本音」はこちらの記事
訪問リハは、会う人にとってはむしろ「楽」なポイントも多い
今回解説した通り、訪問リハには「きつい」と思えるポイントもあります。
しかし、「合う人にとってはむしろ楽」にも感じられる仕事です。
仕事って 、適材適所だと思います。
実際、僕は病院勤務よりもだいぶ気が楽です。
このブログ「リハツバメ」では訪問リハの実情に関する記事を更新しています。
僕は訪問リハが好きなので、訪問STさんも増えて欲しいです。
訪問リハに興味がある人はぜひブログ記事を参考にしてください。
訪問リハの実情など解説しています!
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