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訪問ST(言語聴覚士)のツバメです。
はやいもので、僕も訪問看護ステーションのST立ち上げから5年以上が経ちました。
この記事では、実際に現場で働くなかで感じた「訪問STに必要な道具」を紹介します。
いわば「訪問STのかばんの中身」です。
「僕が訪問を始めたころに知りたかった〜!」という情報を目指して解説してますので、参考になると嬉しいです。
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訪問ST(言語聴覚士)に必要な道具、買えるものは経費で買いましょう
まず初めに、職場の経費で買えるものは必ず経費で買いましょう!
僕は訪問リハで働き始めた頃、職場に遠慮して細かい物品を自己購入していた経験があります。
必要なものは遠慮せず、経費で買っていいと今では思います。
僕の職場の場合、以下は自己所有の物品です。
- 体温計
- 血圧計
- パルスオキシメーター
- 聴診器
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病院でも、STの聴診器は自前だったりしますよね。
美容師さんでいうとこのハサミというか、そんな感じで捉えられる物品は少なからずあります。
訪問リハで働く際には面接などで、自分で購入するべき物品があるのか確認しましょう。
嚥下評価・訓練で使う道具
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小分けのとろみ剤
とろみ剤がない家庭で、嚥下評価したいときなどに必要です。
サンプルとして家庭にも渡せるように、1個包装のスティックタイプを持ちいてます。
0jのゼリー
嚥下評価するために、常備しておくと安心です。
たんぱく含有量が少なく、誤嚥しても肺炎リスクが低いとされる「0j」のゼリー。
参考:嚥下学科分類2021
補助栄養食品
クリミールは125mlで200kcal!
ドリンクタイプ・ゼリータイプなどの補助栄養は家族に提供するサンプルとして必要な場面があります。
「ドラッグストアで買ってきて下さい」と言っても、介護者の外出自体が難しいこともあります。
経口摂取量が少ないなどの理由で、早急にカロリーアップ必要なときには、特にすばやい対応が必要です。
僕が知る限り最小サイズで、80kcalあるハイプチゼリー
MCTオイル・パウダー
MCTオイルは、いわゆる中鎖脂肪酸と呼ばれるもので、体に良いとされる油です。消化・吸収が早いことなどが特徴。
甘い補助栄養は苦手!という方のカロリーアップ目的などでも使用しています。
食事に少量ずつMCTオイルやパウダーをまぜることで、摂取カロリーを増やす作戦です。
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MCTオイルは加熱調理には向かないので、副食にかけたり、飲み物に混ぜたりしてます。
近所に売ってない場合もあるので、小分けタイプを持っておきましょう。ご家族にもサンプルで渡せて便利です。
ウチで連携している管理栄養士さんもおすすめしているオイルです。
パウダータイプもあり
レトルト嚥下食
レトルトの嚥下色も、評価用にストックしています。食形態の検討が必要なとき、ご家族にも「このくらいレベルです」と説明しやすいです。ドラッグストアでも買えます。
ピークフローメーター
ピークフローメーターでは、咳嗽力の評価として(CPF)Cough Peak FlowやPEFRを計測。
口唇閉鎖が弱い方は、フェイスマスクをつなげる必要あり。
咳嗽力の測定は、このあたりの論文を参考にしています。
※論文に載っているタイプのピークフローメーターは取り扱いが見つかりませんでした。
メッシュネブライザー
咳嗽反射が起きるどうかを評価する「咳テスト」が実施できます。
別途クエン酸が必要です。不顕性誤嚥の有無の参考に。
ペコぱんだ
株式会社ジェイ・エム・エスが製造する「舌トレーニング用具」ペコぱんだです。
舌圧の訓練と評価に使えます。
訓練用として、家族に買ってもらうのもありですが、評価用にもひとつ自分で持っておくといいです。
ペコぱんだの使い方は、別記事でも詳しく解説しています。
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口腔ケア系の必需品
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口腔ケア関連で、必ず必要になるものを紹介します。
プラスチックグローブ
口腔ケアはもちろん、衛生の確保に必須。
パウダータイプは粉が舞うので、パウダーフリーのものを選びましょう。
「ラテックス」や「ニトリル」といったグローブを使うこともありますが、単価が高いです。基本はプラスチックグローブを使っています。
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事務所にあるものを、小分けにジップロックして持ち歩いてます。
参考:「医療用手袋の用途・種類と選び方 」メディアスホールディングス
口腔ケアジェル
リフレケアの小さいのとかおすすめ
口腔ケア用のジェルは、ご家庭によってあったりなかったり。
小さいジェルを自分でも持っておくと便利です。
口腔ケア用スポンジブラシ
スポンジブラシも何本か常備。持っていない家庭には、とりあえずあげたりもします。
ガーゼ
口腔ケア用のガーゼ。僕は、次に紹介する「バイトブロックの代用品」を作る際にも使っています。
デンタルブロック
開口障害があり、口腔ケアなどが難しい人に使用します。指を守る意味もあります。
上記のタイプはプラスチックで、固い素材です。
特に開口が難しく、強く噛み込んでしまう方には下記のような少し柔らかいタイプがオススメです。
オーラルバイトは縦・横どちらの方向でも使えます。
構音や嚥下の訓練・評価に使える道具
割り箸(バイトブロック代用)
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参考:インテルナ出版「ディスポーザブル・バイトブロック」
口腔器官の評価や訓練で必要にるバイトブロック。
僕は、割り箸とガーゼで作る「簡易バイトブロック」で代用しています。
割り箸ガーゼの簡易バイトブロック
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割り箸は割らずに、間にガーゼを挟み込んで軽く固定。ガーゼが安定するので、巻きやすくなります。
割り箸は割らずに、間にガーゼを挟み込んで軽く固定。ガーゼが安定するので、巻きやすくなります。
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ガーゼをくるくる巻いて、簡易バイトブロックの完成です。
ただ巻いただけなので、ガーゼの下の方を指で保持して使っています。
事前に準備する場合は、輪ゴムとかで固定してもいいかも。
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病院で使ってた鉄製のブロックなども持ってますけど、毎回の消毒が大変です。
綿棒(アイス綿棒用)
100均にも、上記のような大きめサイズの綿棒があったりします。
のどアイスマッサージを行う際などに。
100均のアイス棒(舌圧子の代用)
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舌圧子の代用としてつかっています。写真のものはちょっと細め。
100均でもたまに太めのものが売ってあります。
舌圧子は普通に買うと結構高いです…
鼻息鏡
鼻咽腔閉鎖の評価などのために、鼻息鏡もあるといいですね。
鏡(コンパクトミラー)
![](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2020/05/mirror.png)
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訓練でのフィードバックに鏡を使うことは多いですよね。
ご家庭に手鏡などない場合もあるので、自分でも持っておきましょう。
ストロー
![ストロー](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2020/05/juice_straw.png)
![ストロー](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2020/05/juice_straw.png)
訓練などでストローが使いたいとき、ご家庭にはないこともあります。
100均で大量に買えるので自分で持っておきましょう。
身体測定に使う道具
メジャー
![](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2020/05/bunbougu_measure.png)
![](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2020/05/bunbougu_measure.png)
胸郭拡張差を測ったり。大腿部を測ったり。いろいろ測ります。100円ショップにもあると思います。
環境調整で使うもの
![](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2020/05/bunbougu_masking_tape_yellow.png)
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角度計
ギャッジ角度測ったり。iPhoneの「計測アプリ」の水準器も使ってます。
マスキングテープ
ポジショニングの目印や、掲示物を貼るときに。あとが残らないので便利。マジックで文字も書けます。
100円ショップで買えます。
マジック(太いペン)
太い文字で注意書きなどを書きたいときに。意外と家庭にはないことが多い
嚥下訓練指導など、利用者さんに渡したいプリント類は別記事にまとめています
![](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2021/05/job_care_manager_man.png)
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訪問リハに役立つ掲示物やプリント類は、下記の別記事にまとめています。
訪問リハに役立つ掲示物まとめは下記の記事
- 窒息対応
- 嚥下指導
- 室温管理
- 50音表
- 排泄・水分チェック…など
![](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2020/06/houmon-insatubutu-eye-300x158.png)
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また、嚥下訓練・口腔体操やブローイング・シャキア法など、自主訓練のプリントは当ブログ「リハツバメ」のオリジナルプリントも作成しています。
口腔体操のプリントなどは「プリント・イラストカテゴリー」にまとめてます!
![](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2023/05/enge-taisou-eye-300x158.webp)
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評価バッテリーはあんまり使ってないです
個人的には、訪問リハの現場で標準化された「検査バッテリー」を使うことは少ないです。
訪問リハの現場では、病院のようにきちんとした評価バッテリーを買う予算はないことが多いです。
僕の場合独自にアレンジした評価や簡潔なもの、観察所見を記載することが多いです。それでドクターからなにか言われたことはないですね。
一応、以下ようなキットは使うこともあります。
SLTA(のような検査)
買うと高いので、似たものを作って評価。やるとしても一部だけですかね。
SLTAは実生活での改善が反映されにくい場合も多いです。自分で評価項目を考えたほうがいいと思っています。
長谷川・MMSE
HDS-Rは記憶力中心。MMSEは言語機能や空間認知機能を必要とする項目が多いですよね。
いつでも取れるように用紙と物品だけは準備しとくといいと思います。
訓練用のプリント類は別記事で解説してます
訓練用でプリントを使う際は、ほとんどネットでダウンロードしています。
毎回探すのが大変だったので、僕がよいと思ったサイトを下記の別記事にまとめています。
ST訓練に使えるプリントサイトをまとめ
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言語聴覚士の訪問リハで必要な道具。結局一番大事なのは「心構え」
![](https://zaitaku-st.com/wp-content/uploads/2021/08/medical_otoshiyori_kagamu_man.png)
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以上、「訪問STに必要な道具をご紹介!」でした。
この記事を読んでるアナタは、訪問STに興味があったり、新しく働きはじめる人だと思います。
少しでも参考になるとめちゃくちゃ嬉しいです。
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僕は訪問STの仕事が好きなので、もっと仲間が増えて欲しいと思っています。
でも、実は一番大事なのは「道具」よりも「心」のだと思います。
訪問は相手のフィールド(家)での仕事ですからね。病院や施設のリハとは全然違います。
他の記事でも訪問リハについて解説しているので、興味がある方は参考にして下さい。
訪問リハ関係で反響の多い記事
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