訪問STのツバメです。
リハビリ職のみなさんで「職場を変えたい」と考えている方も多いと思います。
ただ、転職って人生のなかで何度も経験するもんじゃありません。なかには初めての転職で、不安な状態の方もいると思います。
正しい転職活動の進め方を知りたい!
転職を考えてるけど、職場選びで失敗したくないなぁ。
僕も、初めて職場を変えるときは不安で一杯でした。今だから思うことですが、転職で失敗しないためには「とにかく沢山の情報を集める」ことが大事だと思います。
リハ職をサポートする2社のコラボ動画。この要点を解説します!
上記は「マイナビ」と「リハノメ」で、毎年企画されているライブ配信動画。
2022年の転職活動向け情報です。マイナビ(転職エージェント)さん目線での「転職の注意点」が、とても参考になります。
僕も「転職」や「復業」など、今後の方針を考え中。リハ転職のトレンドなど、気になる情報が多い動画でした。
しかし…この動画が2時間近くと長尺!
要点だけを知りたい人もいると思うので、リハツバメで気になるポイントをまとめました。
2022年のリハ転職。特に気になったポイントまとめ
- もっとも多い転職理由は「給与・待遇」(昨年と同じ)
- 「病院」から「訪問看護ステーション」というパターンが多い(昨年と同じ)
- 「訪問看護ステーション」の高給与傾向はやや落ち着いてきた
- 小児STの求人が増加傾向(放課後デイサービスなど)
- 20代での転職は「3ヶ所目」がギリギリのライン
- リハ転職の活動スパンはさらに長くなっている(1年前には活動開始など)
上記の内容+アルファについて、記事で深掘りしていきます。
今回かなり「視聴者さんからの質問」が多かったです。記事後半に「放送中のQ&A」もまとめています。
内容が気になった方は、ぜひ元の動画もチェックしてみてください。
療法士のもっとも多い転職理由は「給与・待遇」(昨年と同じ)
リハスタッフが転職する理由は「給与・待遇」が最も多いです。これは去年と同じ。
ただ、STだけはちょっと特殊で「スキルアップ」を理由に転職する人が最多。これも前年と同じ傾向。
病院から「訪問看護ステーションに転職」というパターンが多い(昨年と同じ)
転職理由で最多なのは「給与・待遇」。
そして、給与アップを希望する人達が、転職先に選びやすいのが「訪問看護ステーション」。ここ数年のリハ転職の流れです。
訪問看護ステーションの「高給与傾向」はやや落ち着いてきた
年収アップを目的に「訪問看護ステーション」へ転職するリハスタッフが多いですが、数年前のピーク時と比べると「高給与」の傾向は落ち着いてきているとのこと。
訪問看護ステーション:求人年収の相場変化
ピーク時 (2018年位) | 年収450万〜500万弱での募集も多かった |
2022年 | 年収400万代前半くらいがほとんど(東京の訪問看護ステーションにて) ※別途残業などが加味される場合あり |
小児STの求人が増加傾向(放課後デイサービスなど)
元が少なかったのもあるが、STの小児求人はかなり増えている(マイナビで600%アップ)。これは、放課後等デイサービスの加算基準変更の流れを受けた印象。
もちろん、PT・OTも加算対象で、放課後デイの求人自体が増加している。
参考:令和3年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(厚生労働省資料)
20代での転職は「3回目まで」がギリギリのライン
20代でのリハ転職は「3ヶ所目」以降はグッとハードルが上がる。履歴書の段階で「転職を繰り返している人」という印象もついてしまう。
これは、個人的にかなり気になった部分でした。「20代で3回まで」職場を試すチャンスがあるというのは、前向きに捉えていいと思います。
リハ転職の活動スパンはさらに長くなっている(1年前には活動開始など)
これはリハ職特有の傾向で、年々強くなってきています。
入職決定の時期も、年々前倒し。半年前〜8ヶ月以上前には次の職場を決めてしまう人が30%以上います。
じっくりと時間をかけて、早めに転職活動をした人のほうが「入職後の離職率」も低いそうです。
逆に、短い期間で転職した人は、早期退職する割合が多くなる傾向。
転職活動を長いスパンで考えるのは「転職で失敗しない」ポイントです。
参考:マイナビAGENT「転職活動の期間の目安と早期決着のポイント」
情報収集目的でのエージェント登録者が増加傾向。コロナもあり慎重に?
リハ転職の活動スパンは年々長くなり、より慎重に転職活動を進める人が増えた傾向。
それに伴い、転職エージェントへの登録目的も「まずは情報収集がしたくて」というパターンが増加。
2020年頃から特に増えたエージェント登録の目的
- 転職時期未定
- 情報収集がしたい
慎重に行動する人が増えているんですね。
まず情報収集することは大事だと思います。
マイナビ登録者の半数は「他社の転職エージェント」も利用している
マイナビのデータでは、半数以上の利用者が「他の転職エージェント」にも登録しているそうです。
個人的にも、2社以上に登録して比較するのはメリットだと思います。
人間同士のやりとりなので、どうしても「担当者と合わない」などの相性はあります。しかし、比較対象が無いと良し悪しもわかりません。
リハ転職のエージェント選びについては、別の記事でも詳しく解説しています。
Q&A:視聴者からの質問コメントと回答まとめ
ここからは、視聴者さんからのコメント質問をまとめます。結構突っ込んだものが多かったです。
質問をカテゴリごとにまとめます
※クリックでジャンプします
給与・待遇に関する質問
- 10年間マイナビで働いて扱った案件で「最も高かった年収」は、ぶっちゃけいくらですか?
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訪問看護ステーションの管理者採用で、年収650万円くらいが最高額。
- 急性期PTから「整形外科病院・クリニック」への転職を検討しています。給与相場などの違いがあれば教えて下さい。
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コロナの影響で外来患者が減少傾向。それに伴い、全体でみるとクリニックの求人や給与も「やや減少」傾向にある。
今後、外来患者が増加すれば相場感が戻る可能性はあり。また、クリニックは院長の方針に条件が左右される面が大きい。
- 訪問看護ステーションの「インセンティブの相場」があれば教えて下さい。
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システムの違いなどもあるため、なんとも言えない。ただ、インセンティブ性が導入されている場合、よくも悪くも「個人で動く」働き方になる印象。「高給与も狙える」代わりに「休みが取りずらい」などの声も。
逆に、インセンティブがなくチームで動く訪問看護ステーションでは、多少給与相場が下がっても「休みがとりやすい」「先輩からの指導をもらえる」などのメリットがある傾向。
退職・入職時に関する質問
- 2023年4月の転職を希望しています。転職活動に適した時期などありますか?
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2022年の4月(一年前)ごろから、翌年4月の面接も取り扱いが出てくる状況。
受けようと思えば、一年前には次の職場の面接を受けられる。
- 今の職場に「退職の申告」をしないまま転職活動を始めた場合、どのタイミングで退職の旨を伝えることが多いでしょうか? 退職を引き止められそうで心配です。
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現職への退職の申し入れは「転職先への入職が決まった時点」で申告することがおすすめ。ただ、時期によっては退職の申し出が理由で「退職前の賞与がカットされる」ケースもあり、注意が必要。
- 求人内容と入職後の内容にギャップがあり、面接時なども「良い面」しか見せないケースがあると思います。これを防ぐために気を付けることはありますか?
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まずは、1社のみの「単願応募」はさけること。3〜4社に応募・比較検討をして、納得できる職場に入ることでリスクは減る。
面接時にどうしも確認しておきたいポイントなどは「メモにとる」「エージェントを通して確認する」「書面に書いてもらう」などの対応も大事。
- メンタルの不調、体調不良などがある中での転職にはマイナスしかないでしょうか?
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体調不良が転職の絶対的なマイナスになる訳ではない。マイナビでも体調不良がある方を担当することも多い。
また、本人許可を得た上で「応募先に体調面の不安などをきちんと伝える」場合も。きちんと情報を伝えることで、むしろ体調面に配慮してくれる職場を一緒に探せるというケースもある為。
動画内でリハノメ代表さんも言われてましたが、体調に心配がある場合「まずはパート勤務で働く」などの選択肢も、全然アリだと思います。
リハ職パート勤務のメリット・デメリットはこちらの記事で解説しています。
リハ転職の業界動向に関する質問
- 「新卒で病院に就職できない人が増えている」という噂をききます。今後、PTの転職は厳しくなると予想しますか?
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新卒の病院入職者が減っているのは、コロナ禍で実習が無くなったことも関係している。
もともとは、自習先の病院に「恩義」を感じて、そのまま入職するケースが多かった。実習がなくなったぶん、新卒者の「職場選びの目線」がフラットになった結果でもある。
「新卒者はとりあえず病院で経験をつむ」というような、従来の慣習が薄くなってきている傾向。
- 言語聴覚士が小児領域に転職する割合は増えていますか?
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元が少ないのもあるが、STの小児求人はかなり増えている(600%アップ)。放課後等デイサービスの加算基準など変更の流れを受けた印象。
キャリアに関する質問
- 経験年数が10年を超えていると転職はしづらいでしょうか?
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10年の経験は素晴らしいキャリアで、決して転職がしづらい訳ではない。
「何を希望して転職するのか」と「何をしてきたのか」によって転職の難易度は変わる。例えば「現職より給与アップ」を望む場合、それに見合った求人があるかどうかも問題になる。
- 10年以上経験がある場合「これがあると転職しやすい」という客観的な指標はありますか?
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例えば「マネジメント経験がある」などは、強みになる。認定資格などもプラス要素にはなるが、「認定資格があるから採用する」というケースは少ない。
- マネジメント経験を転職先に伝える際の「言語化」が難しいです。コツはありますでしょうか。
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例えば、職場の雰囲気を改善した結果「離職率が下がった」など、数値で語れるポイントを探す。
数値化が難しい場合は、具体的な行動エピソードを挙げて伝える。(例:毎朝、必ず全スタッフに声をかけるようにしたなど)
マイナビに関する質問
- 他社と比較した「マイナビ」の強みを教えて下さい。
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- マイナビはエリア制なので、その土地の情報に詳しい
- (全国各所に拠点あり)※東京本社一括のエージェントもある
- 相談者が希望すれば、対面での相談に対応している
- 「法人」ごとに担当をつけている為、施設側としっかりと事前の打ち合わせが可能
- マイナビはエリア制なので、その土地の情報に詳しい
「マイナビコメディカル」についての簡単なまとめ
ここで、「マイナビコメディカル」という転職エージェントについて、簡単なまとめです。
マイナビコメディカルってどんなサービス?
- リハビリ職・コメディカル専門の転職エージェント
- 全国に広く展開している
- エージェントとの直接面談も可能
- 利用者層は20〜30代が多い
- 病院勤務者の利用が多い
若年層・正社員の「コメディカル転職に特化」したエージェントですね。
上の図のように、転職エージェントは求職者側の利用は無料。転職成立時のみに「施設が報酬を支払う仕組み」なので、気軽に利用できるのもメリットです。
マイナビの公式サイトはこちら
\全国の事業所でエージェントと直接面談もできる /
「マイナビコメディカル」を実際に登録した流れなどはこの記事で解説しています。
理学療法士・リハスタッフは、転職で失敗しない為にエージェントを活用してみましょう
以上、YouTube「リハスタッフのための失敗しない転職の進め方」のまとめ解説でした。
「国家資格さえあれば、次の職場も見つかりやすい」という時代は、終わろうとしています。
転職活動の開始時期が年々早くなっているというのも、競争が激化している象徴だと思います。
転職を検討している人は、早めに行動したほうがいいです。
今回の有益な情報を発信してくれていた「マイナビコメディカル」や「リハノメ
去年(2021年)の配信もブログで要点をまとめています。