
訪問ST(言語聴覚士)のツバメです。
僕は一般企業からの転職STですが、ハッキリ言ってSTの仕事はストレス度が高いです。
- 他人の人生を左右する
- 嚥下に至っては生死に関わる
- 膨大な知識と経験が必要
- リハ職ではマイノリティ
なので「正直、もう仕事辞めたい!」と思っている方も多いでしょう。ちなみに僕の場合、最初に入った病院でパワハラを経験。精神的にも参ってしまい退職しました。
退職後、どうにか訪問看護ステーションのSTになり、今も仕事を続けられています。
そんな僕が「もうST辞めたい」と思ったとき、悩んだのは以下の2点です。
- 退職のタイミングはいつにするか
- 退職後の人生プランはどうするか
なのでこの記事では、僕の経験を踏まえて「退職するべきタイミング」と「退職後のプラン」について解説します。
「ヤバイ、仕事辞めたい…」と悩んでいるSTさんの参考になると嬉しいです。
言語聴覚士が仕事を辞めるべきタイミングを解説


まずは、やめるべきタイミングについて解説します。
ポイントをまとめると以下の通り
※クリックでジャンプできます
言語聴覚士が仕事を辞めたいと思う理由5つ


そもそも、STのみなさんが仕事を辞めたくなる理由にはどんなものがあるのでしょうか。
- 人間関係
- 労働環境に不満がある
- 仕事内容にやりがいを感じない
- 給与が低い
- 違う仕事に興味がある
※知人の体験、SNSやネットなどで情報収集
ひとつ言えるのは、辞めたい理由のほとんどは環境によるものということです。



僕は職場を変えてから「辞めたい」と思うことは激減しました。
退職のタイミングは「辞めたい」と思ったときで良い



辞めたいと思ってるけど、タイミングがなくて…
職場を「辞めるタイミングがない」という声は多いです。
でも本当は、あなたが「辞めたい」のならそれはもう辞めるべきタイミング。
正直「辞めたい」と思う時点で「職場との相性が良くない」のは間違いないです。どのみち、その職場を離れる人の方が多いでしょう。違うのは「早い」か「遅い」か。
それに、辞めるのにベストなタイミングなんてほぼ無いです。どんな時期に辞めても、全員を納得させることは不可能です。
- 1~2年目 「経験が浅いのに辞めるの?」
- 3~5年目 「やっと仕事を覚えたのに辞めるの?」
- 6~10年目 「指導者なのに辞めるの?」
僕の場合、2年目でメンタルが限界で退職。正直、かなり罪悪感がありました。
だけど退職後、同期に「仕事忙しくなった?」と聞くと、意外なことに「最近ひまだよ」と言われました。
通常は誰か一人が辞めたくらいで、組織は崩壊しません。崩壊するとしたら、組織に問題があります。



僕は、たとえ新卒1〜2年目でも退職していいと思います。安易に逃げるような退職じゃなければ全然アリです。


精神・肉体的に異変があるなら赤信号


もし、STを辞めたい主な原因が「仕事のストレス」なら注意が必要です。
特に精神・肉体的に異変を感じているときは、早めの退職を検討しましょう。
僕も心療内科で「うつ病」と診断された経験があります。今になって分かりますが、無理すれば確実に悪化していました。
実体験から言うと、体調不良は黄色信号ではなく「赤信号」。
僕が実際に経験した体調不良は、この記事で詳しく解説しています


辞めるのを認めて貰えないないなら、嘘をついても良い



・ウチは新卒採用のみだから、3月しか辞められない!
・退職申請は最低でも半年前!
なかには退職を認めて貰えない人もいるかもしれません。
でも、本来は「辞めたい」と思うこと自体が真っ当な退職理由です。
退職を認めないというのは、施設側の都合です。退職に関して「3月にしか辞められない」など独自の縛りをよく聞きますが、法的な根拠はないです。
真っ当な申告ができないのであれば、「嘘を付いて辞めても良い」です。僕はそう思います。あなた自身が潰れてしまうより、ずっと良いからです。



体調に異常があるときは「心療内科」で診断書を書いて貰いましょう。
※退職がスムーズに行かないときは、退職代行サービスを利用するのも方法です。次項で解説します。
退職をスムーズに進める為のポイント


ここからは、退職をスムーズに進める為のポイントを3つ紹介します。
退職をスムーズにする為のポイント
※クリックでジャンプします
退職を決意したら、早めに意思表示をする
退職をスムーズに認めて貰うためには、早めの意思表示が大事です。
なぜなら、他にも「職場を辞めたい人」がいるかもしれないからです。
退職申し出のタイミング
- 5月に退職の意思表示をしたAさん
- 10月に退職の意思表示をしたBさん
タイミングが被ったら、基本的には先に「退職したい」と申告した人が優先されますよね。つまり上記の例だと、Aさんの退職が優先されます。



実は、Aさんも退職を希望してるんだよね。
来年まで待ってくれない?
そして辞めたい人が多発すると、高確率で退職を引き止められます。
実際、僕の前の職場も「退職の順番待ち」をしているような状態でした。早い人は、1年以上前から退職の意思表示をしてるんです。なので、退職の意思が固まったら、早めの申告がオススメです。
転職の計画があるなら、内定後の意思表示が無難
職場を辞めるためには、早めの意思表示が大切。前述の通り、これは間違いないです。
ただ、すでに転職活動を進めているときは、内定が出た後で退職の意思表示をするのが無難です。これは、転職エージェントさんも同じことを言っていました。
- 転職が決まらなかったら、今の職場に残れる
- 内定が出てるなら退職を引き止められにくい



内定を貰ってから退職申請って…
それで間に合うの?
ここで「じゃあ、一体いつから転職活動を始めることになるんだ?」と疑問に思うかもしれません。
答えは、「早いほどいい」になります。
実は、リハ職は特に長期的な転職活動をする人が多い業界です。長い人は1年以上かけて転職活動します。
そういった業界の特徴を把握しておくのも、退職をスムーズに進めるポイントです。
退職を認めて貰えないなら、退職代行サービスも検討する





職場を辞めさせて貰えないんです…
職場は辞めたいけど、辞めさせて貰えない。結構耳にする悩みです。
もし「とにかく今すぐ職場を辞めたい」状況なら、退職代行サービスを利用して職場を抜け出すのもアリ。極端な話、二度と出社せずに退職が可能です。



もし職場を辞められなくて悩んでいるなら、素直に選択肢に入れましょう。
退職代行サービス3選
公式サイト | おすすめ度 | 料金 | 弁護士監修 | 残業代の請求 | 有休取得交渉 | 後払い |
---|---|---|---|---|---|---|
![]() ![]() | 請求オプションが 豊富 | ・相談:無料 ・退職着手: 55,000円 ・オプション: 回収額の20%(残業代・退職金の請求など) | 弁護士監修あり | オプションで可能 (回収額の20%) | 可能 | なし |
![]() ![]() | 有休交渉など可能 | ・退職代行: 27,000円 会社との交渉: 2,000円(労働組合利用) | 弁護士監修あり | なし | 可能 | あり |
![]() ![]() J-NEXT 退職代行 | 安価で退職したい | ・退職代行: 20,000円 | なし | なし | 保証はできない | あり |
※上記の表だと、
退職代行サービスを通すと、残業代の請求も可能


退職代行の弁護士を通すと、勤め先へ様々な請求も出来ます。例えば、未払いの残業代。
残業代を付けさせない為に「定時でタイムカードだけ切らされる」ようなブラック職場、ありますよね。実際は残業していたと証明できれば、未払い残業代として請求可能な場合もあります。
この未払いの残業請求、はっきり言って「やってる人はやってる」んです。リハノメ運営のPTさんも「残業請求にデメリットはない」と言い切ってる位ですし。
僕自身は残業請求に対して「デメリットなんてない!」と言えるほど強気ではないですが「普通に認められた権利だよね」とは思っています。未払いが多いと思う人は請求を検討していいでしょう。



僕の友人も病院を辞めるとき、弁護士経由で残業代を請求しました。実際に数十万単位の残業代を受け取ってます。
退職時の請求が可能なサービス | 請求できる項目 |
---|---|
退職代行に加え、有休消化、未払い残業代の請求などもできる。 | |
退職代行に加え、有休消化が請求できる。 |
退職代行サービス自体は円満な退職をサポートしてくれますが、リハ業界は狭い社会。退職後に「同じ地域」「同じ分野」での転職を考えている場合「退職で揉めた噂」などが伝わる可能性もあります。退職サービスの利用が、自分にとってプラスになるか否か、そのあたりの見解も含めて退職代行会社に相談しましょう。
辞めた後のプランについて、広い視野で考えよう


次は、退職後のプランについてです。「辞めたい」のであれば、その後のプランも考えておくべき。
心身ともに余裕がないときは、視野も狭くなりやすいです。一旦心を落ち着けて、広い視野で退職後のプランを練りましょう。
退職後のプラン例を解説
※クリックでジャンプします
- まずはSTを続けたいのかどうかを考える
- 退職後の道①:STとして転職するなら需要が高いうちに
- 退職後の道②:ST資格が活かせる一般企業の求人を探す
- 退職後の道③:仕事に関連するスキルを増やして転職する
- 退職後の道④:別分野のスキルを身につける
まずはSTを続けたいのかどうかを考える
そもそも「ST自体を辞めたい」か「STは続けたい」のかで、退職後のプランは大きく変わります。
仕事を「辞めたい」ということは、どこかに不満や悩みがあるはずです。
あなたの「不満・悩み」はどちらだと思いますか?
- STを辞めなくても問題解決する
- STをやめないと問題解決しない
職場を変えて問題解決するならSTは続けるべき
STは辞めなくていい。続けたい。それなら、問題は職場=環境にあります。
環境の問題は、環境さえ変えてしまえば解決する可能性が高いです。
- 看護部からのパワハラ(主な理由)
- リハ部でST科の立場が低い
- 意味のない(と感じた)勉強会の多さ
- サービス残業が日常化(特にSTは教材作成などで…)
僕の場合は「回復期」から「訪問看護ステーション」への職場変更で仕事のストレスは激減しました。



ちなみに元職場はセラピスト100人規模の回復期です。
仕事内容へのストレスも、領域変更で解決する可能性がある
いやもう、STを辞めたいんだ。
そんな風に「STという職業」に対する不満があれば、ST自体を辞める必要があります。
- 対人の仕事が苦手
- 訓練にやりがいを感じなかった
- 思ってたような仕事じゃなかった
しかし、STの仕事は「領域」によって千差万別です。他の職場の情報や、求人情報を集めて「自分に合いそうな職場」がないか検討する必要はあります。



職場のリアルについては、僕がTwitter経由で実施した「職場のぶっちゃけアンケート記事」も参考になると思います。
退職後の道①:STとして転職するなら需要が高いうちに


STは「国家資格」かつ「まだ需要がある」仕事です。なので転職は難しくありません。
PT・OTは供給過多になってきていますし、一般企業の転職はもっとハードルが高いです。
有利な状況を生かして、職場を変えながら「自分に合ったポジションを見つける」のもひとつの正解と言えますね。
リハ業界は転職活動の動き出しが早いので注意


セラピストとしての転職を考えるときに、知っておいた方がいい知識があります。
リハ転職の傾向
- リハ職は転職活動を始めるタイミングが早い
- 転職のハードルは年々上がっている(でもこれはPTかな)
僕らSTはまだ需要を掘りきれていない業種ですので、PTなどと比べると転職ハードルは低いです。
ただ、リハ業界一般企業よりも転職活動を始めるタイミングが早いケースが多いんです。そのへんの情報は「マイナビ×リハノメ」のコラボ動画をまとめた記事が参考になると思います。
ST転職で失敗しないための準備3つ


「STとして心機一転しよう」。もっと良い職場で。
よりよい転職先をみつけるには、それなりの準備や行動が必要です。
僕や友人STの転職経験から言える「転職で失敗しないための準備」は以下の3つです。
転職で失敗しない為の準備
①:SNS・知人経由の求人情報にはアンテナをはっておく
転職する際に、一番手堅く「良い職場にいける可能性が高い」のは知人経由での入職だと思います。
求人票には不都合なことが書いてないことは多いですし、内情はわかりませんよね。



頼れるツテがあるんだったら絶対使った方がいいです。
\ TwitterのDMで相談も受けてます〜/
②:ハローワークの求人情報をチェックする


「転職サイトとハローワークの求人どっちがいいの?」
これは、どっちも大事です。集まってくる情報の質が違うので、両方チェックしておくべきです。



ハローワークは地場の掘り出し求人があったりしますよ。
別記事で検索方法なども解説しています。
③:リハ専門の転職エージェントに登録しておく


転職の情報収集に役立つのが「転職エージェント」。STとして転職したいなら、リハ専門のエージェントを選びましょう。リハ専門の最大手だと「PTOT人材バンク」などですね。
登録するとエージェントを通じて「条件交渉」ができたり、登録者のみがアクセスできる「非公開求人」を紹介してもらえるのがメリット。利用無料なので、とりあえず登録して良いでしょう。
ただ注意点として、エージェントを利用した転職は「担当者との相性」に左右される部分が大きいです。いくつか登録をして、納得いく相手とだけ話を進めましょう。
エージェント | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
公開リハ求人数 | 約3万8,000件 | 約4万1,000件 | ー | ー | 約2万件 | ー |
非公開求人 | あり | あり | あり | あり | あり(非公開) | あり(非公開) |
対応エリア | 全国 | 全国 | 関東・関西 | 全国 | 全国 | 全国 |
特徴 | リハ専門で2008年スタートの老舗 | 求人数が多いリハ専エージェント | 2020年に始まったばかりの新サービス | リハ専門ではなくコメディカル特化。幅広いパイプがある | 介護領域に幅広く展開している。リハ求人数は少なめ | 介護領域に特化したエージェント。リハ求人もあり。 |
おすすめポイント | 歴史が長い。年間1万人以上が利用 | POS各職に専門のアドバイザーがいる | 実は母体が大手人材派遣。狙い目 | 新卒・就職浪人&資格浪人者のサポート実績も多数あり | 転職後のアンケート回答で報酬が貰える | 電話、LINEで対応可能 |
公式サイト | PTOT人材バンク | レバウェルリハビリ | マイナビコメディカル | 介護JJ
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僕も過去3社に登録してます。
転職エージェント選びは下記の記事の注意点などを参考にして下さい


退職後の道②:ST資格が活かせる一般企業の求人を探す


STを辞めて、一般企業への転職を考えている人向けなのは
「PTOT人材バンク」などがリハ専門なのに対して、リクルートエージェントなどは一般企業の求人を広く網羅しています。
エージェントに「ST資格が優遇される求人があれば連絡ください」と伝えれば、自分で探す手間も省けます。
補聴器や人工内耳、食品(介護食)メーカーでST資格が優遇されることが多いです。
※別記事に求人実例をまとまてますので参考にして下さい。





せっかく資格を取ったのだから、重宝される職場を選びたいですよね。
退職後の道③:仕事に関連するスキルを増やして転職する



「介護食メーカー」への転職も視野に「食生活アドバイザー」の資格を勉強中です。
上記のSTさんのように、転職に活かせるスキルを増やすのもいいですよね。
- 公認心理師
- ケアマネージャー
- 心理カウンセラー
- 福祉住環境コーディネーター
- 音楽療法
- 食生活アドバイザー …などなど。
例えば、知り合いで「ケアマネージャー」+「非常勤の訪問PT」がいます。時間を有効に使うことで、訪問の常勤よりも稼ぎはいいようです。そんな働き方もあります。
下記のようなサイトで、医療・福祉系に関連資格をチェックしてみましょう。
- 資格資料を無料で請求「シカトル」
- まとめて資料請求できるサイト。
- 生涯学習のユーキャン
- ケアマネをはじめ、割と医療・福祉系の資格もある。
退職後の道④:別分野のスキルを身につける


もし別分野に興味があれば、全く新しいスキルを勉強をするのもありですね。
本業にするもよし、STとのダブルワークを目指すもよし。道を広げやすいのも、国家資格保持者の強みです。
特にプログラミング・動画編集・Webデザインなどは、今後のニーズも期待され、独立も可能なスキル。



僕がゼロから何か学ぶとしたら、プログラミングですかね。小学校でも必修化されたくらいですし、将来的にも応用がききそうなので。
別分野のスキルを身につける為には、まずは独学で学んでみても良いですし、下記のテックアカデミーなどを利用しても良いでしょう。Web関連のスキルを多く学んだあとは、副業で働いたり、本格的な転職をしたりと実例も多数あるようです。
プログラミングなどが学べる
TechAcademy 無料体験

- プログラミング
- Webデザイン
- Webアプリ開発
- スマホアプリ開発
- AI
- 動画編集…など
Webの仕事に興味があって「ちょっと話を聞いてみたい」という方は、無料のテックアカデミー無料メンター相談
言語聴覚士を辞めたい人は、早めに考えをまとめて行動するべき


「言語聴覚士を辞めたい人へ」ということで、退職のタイミングや、退職後のプランなど解説しました。
いかがだったでしょうか。
リハ職は人と関わってなんぼの職業ですし、色々と悩みが多いですよね。
幸い、STという仕事は「働く分野」によって適性がめちゃくちゃ変わります。一般企業などで資格を活かせる可能性もあります。
参考:「free」副業解禁はいつから?副業の実際と注意点
これからの時代を考えると、転職しやすい「STという職業は有利」です。
それに、せっかく国家資格を取ったのだから納得いく環境で働きたいですよね。
現状を変えたいなら行動するしかないです。失敗しながらでも、一つずつ可能性を試しましょう。



現状に悩んでいるなら「とりあえず、行動!」
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