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PTなんて「やめとけ」と言われる理由と対抗策。まだ有利な点もあるのでは?

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某PT

PTはもう共有過多だよ

ぶっちゃけ給料上がらないよ

上記のように「理学療法士なんて、もうやめとけ」みたいな論調ってありますよね。

でも、ほんとうにそうなのでしょうか?

個人的には「そんなことないのでは?」と思います。専門的な国家資格を持っていることで、有利なことが多数あるからです。

PTのデメリットとしてよく挙がる「給料が上がらない問題」は、ぶっちゃけPT以外の日本人にも当てはまります。一般企業の給料だってホイホイと上がる訳ではありません。

確かに、「PT資格を持ってれば一生安泰」みたいな時代は終わったと思います。でも上手に転職をしたり、副業や開業を視野に入れたりするのなら、PTには有利な点も多いです。

そこで今回は、これからのPTにとって「不利な点」と「有利な点」について解説します。国が発表しているデータなども用いますので、参考にして下さい。

この記事で解説する内容

  • PTは「やめとけ」と言われる理由
  • それでもまだPTが有利なこと
    • 副業・開業など
目次

理学療法士なんて「やめとけ」と言われている理由

まず「PTなんてやめとけ」という、ネガティブな論調に多い意見を確認しましょう。

PTなんて「やめとけ」と言われる理由4つ
  • 人員が飽和している
  • 昇進のポストがない
  • 給料が上がらない
  • 勉強会などでプライベートな時間が潰れる

上記は、ネット上でもリアルな会話でも、本当によくみられる意見です。

厚生労働省などが発表しているデータなども参照して、

厚生労働省などが発表しているデータなども参照して、ぞれぞれを簡単に解説します。

人員が飽和している

上記の表は、厚生労働省が発表したPTの需要・共有バランスの推計です。

3パターンの最もマシなケースでも、2026年頃からPTは供給過多になります。

このままでは、就職が出来ない人が出てきたり、給料が下がったりすることは目に見えています。この人員飽和問題」は、PTなんてやめとけと言われる最大の理由ですね。

実際にPTは、就活や転職活動などの際にも「書類審査の時点で落とされる」ケースが増えています。

参考:厚生労働省「理学療法士・作業療法士の需給推計について」(平成31年)
参考:リハツバメ「失敗しない転職の進め方。マイナビ × リハノメ動画要点まとめ(求人情報・転職活動についての質問)

昇進のポストがない

理学療法士の昇進ポストは限られています。リハ科以外の部門に異動することもほぼ無いです。

たまに「病院の人事部長になった」などの例もありますが、特例といっていいでしょう。

リハ職の役職例
  • リハビリ部:部長
  • 理学療法課:課長、係長、主任

さらにいうと、2022年時点で50代以上のPTはわずか7%程度しかいません。競争相手が少ない分、今はまだマシなんです。

10年〜20年後に50代以上のPTは30%程度います。単純計算で、今よりも4倍出世しづらくなります。

理学療法協会の年代別会員数

参考:日本理学療法士協会「統計情報

給料が上がらない

雇われPTの給料は上がりません。理由を上げ出したらキリがないですが、ひとことでまとめると「国から報酬を貰っているから」というのが全てですよね。

「理学療法」は国からの報酬なので…
  • どのPTでも報酬は一律
  • 1日の売り上げに限界がある
  • 国の一存で報酬が上下する(徐々に下がってる)

上記は、PTの年収について厚生労働省が提出した表です。この表でPTは唯一、給与水準が下がっている職種です。

参考:財務省「財政制度分科会 社会保障について②」(平成29年10月25日開催)

勉強会などでプライベートな時間が潰れる

「給料が上がらない」。それだけなら、似たような状況の一般企業は山ほどあります。

でもPTは、就職した後も勉強し続ける必要があります。 勉強会で休みが潰れたり、調べ物で帰りが遅くなったりする事は日常茶飯事。ときには 専門書を自腹で買い、受講費が一万円以上もするセミナーに参加することもあります。

PTとして働くことが、ある程度「楽しい」と感じている人でも、日々の勉強を苦痛に感じるケース多いですよね。

お悩みPT

なんで休みの日にまで、勉強しなきゃいけないんだろう…

医療職ヒエラルキーの地位が低い

PTは、病院などの組織内で地位が高いとは言えません。医師の下であることはもちろんですし、看護師からぞんざいに扱われることも日常茶飯事です。

これは、本人のスキルとは関係のない「職種」としてのヒエラルキー構造。例えば、PT目線では「間違っている」と感じる治療方針にも従うしかない場合もあります。

変な人が多い

PTは全体的に真面目て責任感がある人が多い職種ですが「お調子者」や「常識のない人」も多いです。これは現場で働いている人は実感しているでしょう。そして職場によってはこの「変な人」の割合が多かったりして、働くこと自体がストレスになります。

また、常識が欠如しているがゆえ「マルチ商法」などに手を出すPTが多数います。これはかつてPT協会から直々に「マルチ商法には手を出さないように」というお達しが出たほど。だまされやすい人が多めです。

参考:日本理学療法士協会「ネットワークビジネス(マルチ商法)に関する注意喚起

ハラスメントが横行しやすい

PT業界はよくも悪くも「体育会系」です。以下のようなハラスメントははびこりやすいです。

PT業界にはびこりやすいハラスメント

パワハラ部署内もそうだが、院内ヒエラルキーが低いので多部署の標的になることも
セクハラ指導やリハ介入時に身体が密着することが多く、スタッフ内・対患者の両方で問題になりやすい
アルハラ普段の飲み会だけでなく、泊まりがけで学会に行くと無理やり飲みに連れて行かれることも
ツバメ

ちなみに僕も病院勤務時代に多部署からのパワハラを経験しています。メンタルやられて、体調崩しました。

ブラックな労働環境の職場も溢れている

残念ながらPTの職場には、ブラックな労働環境な場所も多数あります。これもPTの仕事がネガティブにみられる要因。

特に、以下のようなポイントに該当する職場は、注意した方がいいです。すでに入職してしまった場合も、早めの転職を検討するべきでしょう。

ブラックな職場を見分けるポイント

  • 時間外の朝礼がある
  • 時間外の勉強会がある(強制)
  • サービス残業が当たり前
  • リハ介入を不正請求している

上記は全てが違法なのですが、ブラック職場では当たり前に横行しています。上記多くに当てはまるような職場で長く働くのは辞めた方が良いでしょう。

ツバメ

僕の前の職場(回復期)は、上記全てに該当。退職してよかったと感じます。

このようなニュースは氷山の一角だと思います。業界が変わって欲しいのであえて載せます。
参考:朝日新聞「群馬の公立病院、2千件超す診療報酬の不適切請求

また、下記の動画は「リハノメチャンネル」のものですが、ブラック職場についての意見が非常に共感できるものでした。参考になると思うので貼っておきます。

でもまだPTのメリットは多数ある

ここまで簡単に、PTなんて「やめとけ」と言われる理由について解説しました。確かに、これからのPTは社会的に有利とは言えない状況です。

でも、僕のような「元一般企業の人間」からすると「それでも恵まれてる方なんだけどな…」と思うのも事実です。

PTのメリット

  • 転職がしやすい
  • 副業や開業しがやすい

PTは転職がしやすい

PTは転職しやすい。なぜなら専門職だから。これはメッチャ有利な点です。もしかすると一般企業での転職などを経験しないと、この恩恵は感じずらいかもしれません。

筆者は一般企業出身(広告関係)のSTなのですが、実は会社の倒産を経験しています。そして当時、再就職には本当〜に苦労しました。なぜなら「普通自動車免許」以外に資格もなく、目立ったスキルもなかったからです。全然転職先が決まりません。

まともな再就職ができず、僕の場合そこからST養成校に入りました。そしてその後、専門職としての転職も経験したんですが、あまりにアッサリと転職できたのは驚きでした。「専門資格を持っていると、こんなに楽に職場を変えられるんだ」と実感しました。

多くの人は「より良い待遇」や「やりたいこと」を求めて転職します。人生の転換点です。

「転職しやすい = 自分に合った働き方を選びやすい」ということ。これは、PTが一般企業勤めよりも有利な点と言えます。

PT転職に興味のある方は下記の別記事も参考にして下さい

副業や開業をするのにPT資格は有利

「副業」。いつからか、やたら耳にするようになった言葉ですよね。それもそのはず、日本では「副業をしている人」が爆増中です。そして今後、さらに増えるでしょう。

中小企業はもちろん、大手企業にも「社員の一生を背負う」だけの体力はほぼありません。なので日本政府も「つみたてNISA」などの投資を促したり、副業を解禁したりしているんですね。

PTは専門知識を持っているので、知識を活かして副業や独立がしやすい職種です。

また、副業で結果が出れば、そのまま独立開業も視野に入ってきます。ひとつの職場で「雇われPT」として働く以外にも、選択肢はあります。

PTが副業しやすい理由

PTは副業がしやすい理由は以下の通りです。また、近年は稼ぎ方も多様になってきています。

PTが副業をしやすい理由
  • 専門知識がある
  • かけもりパートの需要が高い
  • すでに副業成功の前例が多数ある

そんな「PT副業」で、最も手堅い方法は「休みの日にパートPTとして働く」ことでしょう。週一回のパートでも日当1〜2万円稼ぐことは十分可能。月に5万円稼ぐとして、年間60万の副収入です。

特に老健や訪問看護ステーションでは、パート勤務の需要が高いです。

ツバメ

筆者も訪看勤務ですが、ウチの職場にも「週末パートPT」さんは複数います。普段と違う職場で、気分転換にもなるようです。

また、パートPT以外にも稼ぎ方は多様にあります。ネットやSNSの普及で、稼ぎ方は多様化しています。

PT資格を活かした副業の例

時給タイプの副業
非常勤勤務(パート)
アルバイト
セミナー講師
ウェブライター
ストック収入タイプの副業ブログ
SNSでの発信
コンテンツ販売
YouTuber

※PTの副業については別記事で詳しく解説してます。

PTは独立開業もしやすい

PTは独立もしやすいです。なかでも一番の利点だと思うのは「再就職のハードルが低め」だということ。

仮に開業で失敗したとしても、きっとまたどこかの施設で働くことは可能。その安心感はかなり大きいです。

PTが開業をしやすい理由
  • 専門知識がある
  • かけもち開業ができる
  • 再就職のハードルが低め
  • 同職種で結婚だと、どちらかの稼ぎを柱にできる

それに前述の通り、PTは「パート需要」があります。そのため、パート勤務で最低限の生活費を稼ぎながら「かけもちで開業する」といった方法が取りやすいです。僕の同僚も「訪看パートPT」と「整体院の開業」でかけもち開業しています。

某PT

ウチはPT同士で結婚してるので、私の収入を柱にして夫が開業しました。

※PTの開業については、別記事で実例も交えて解説しています。

「PTなんてやめとけ」と一概には言えない

今回は「PTなんてやめとけ」という論調に対して、そう言われる理由や対策を解説しました。いかがだったでしょうか。

結論として、PTはまだ旨みもある職種だと思います。転職をしたり、副業や開業を念頭においた場合、有利な点が多いからです。

しかし、国のデータなど見ると「雇われPTの待遇」が改善される可能性は低そうなのも事実。リスク分散という意味でも、早めに「自分で稼ぐスキル」を身につけておいた方が良いでしょう。

年々、ひとつの組織に属するメリットが低くなり、個人の力が重要になっています。過去に倣って生きるのか、未来を切り開くのか、大きな転換期にありますね。

ツバメ

でも間違ってもネットワークビジネスには手を出したりしないで下さいね。

リハノミライでは、リハ職の未来を考える情報を発信しています。参考になると嬉しいです。

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