この記事では、PTの資格が活かせる「一般企業」の求人例を解説します。
もうPT辞めたい…
臨床にやりがいを感じられない…
上記のように、PTの仕事に疑問を持っている方も多いと思います。
PTの臨床には人間関係のストレスや、体力的な問題などが付き物。
なかには「臨床は自分に合わない」と感じている人もいるんじゃないでしょうか。
そこで今回はPT資格が優遇されている一般企業の求人例をまとめてみました。
その他「どんなキーワードで求人検索するか」なども解説してます。
実際の求人サイトは、どんどん求人が入れ替わってしまいます。
過去にどんな求人があったかなど「選択肢」を知っておくための参考にして下さい。
PT資格を活かした「営業」の仕事
「理学療法士 営業」
まずは、営業職の実例紹介です。
「PTの経験を生かす」という観点での営業職転職だと「福祉用具」関連の求人は多くあります。PTの専門知識がそのまま活かせるので「理学療法士優遇」という記載がある求人も多いです。
以下、実例を紹介します。
営業職(福祉用具サービス)の求人例
職種 | 営業 |
勤務地 | 某地方都市 |
雇用形態 | 正社員(転勤なし) |
業務内容 | ・介護用品のレンタル提案営業 ・営業先:老人ホーム、福祉施設、個人宅、代理店など ・取扱商材:電動ベッド、マットレス、スロープ、移動用リフト、車椅子など |
必要スキル | ・折衝(せっしょう)経験のある方 ・営業未経験も可 【歓迎】介護業界出身者、介護福祉士、ケアマネージャー、福祉用具専門相談員、理学療法士 |
勤務時間 | 9:00〜18:00 ※休憩60分 |
休日・休暇 | ・年間休日数115日 ・週休2日(土日祝日) ・年間有休休暇10〜20日 ・各種休暇あり(年末年始、夏季、慶弔、産前・産後、育児、介護) |
年収・待遇 | ・400万円〜600万円 ・昇給あり ・残業手当あり(みなし残業で固定+超過分は追加支給) |
上記は、某福祉用具レンタル会社の求人を参考に抜粋したものです。
年収は400万〜なので、一般的なPT臨床よりも高めの相場。しかし月々の給料には、40時間程度の「みなし残業代」も含まれていました。毎日1〜2時間の残業は当たり前にある仕事ということですね。
PT資格を活かした「人材紹介」の仕事
「理学療法士 キャリアアドバイザー」
「理学療法士 キャリアコーディネーター」など
まずは、人材紹介業の求人実例紹介です。具体的に言うと、転職エージェントや人材派遣会社ですね。
医療・福祉に関連した人材紹介業者は結構な数があります。実際に医療現場で勤務していた経験は、求人を紹介する際にプラスになります。なので、「理学療法士優遇」という記載がある求人も多いです。
以下、実例を紹介します。
人材紹介業①(リハ転職サイト)の求人例
職種 | 人材紹介 |
勤務地 | 関東・関西都心部 |
雇用形態 | 正社員 |
業務内容 | ・介護、福祉業界などに特化した人材紹介サービス ・求職者とクライアント企業のマッチング ・入社後のフォロー |
必要スキル | ・経験不問、第二新卒歓迎 【歓迎】人材業界や福祉業界に興味のある方 ※人柄重視での採用 |
勤務時間 | 9:30〜18:30 ※休憩60分 ※月平均残業30時間 |
休日・休暇 | ・年間休日数124日 ・完全週休2日(土日) ・各種休暇あり(年末年始、GW、夏季、慶弔、結婚、産前・産後、育児、介護、有休) |
年収・待遇 | ・455万円〜616万円(関東) ・428万円〜589万円(関西) ※賞与年2回 ※固定残業代含む |
上記は、某人材紹介会社の求人を参考に抜粋したもの。医療・福祉関連の転職サイトです。
【歓迎】という項目に「福祉業界に興味のある方」とあります。実際に臨床経験のあるPTなら、まず優遇されるでしょう。
年収は、やはり一般的な臨床PTより高め。
確かに元々はリハ職で、その後「リハ系の人材派遣業」に転職した方は知っていますね。
人材紹介業②(ドクター転職サイト)の求人例
職種 | 人材紹介 |
勤務地 | 関東都心部(転勤なし) |
雇用形態 | 正社員 |
業務内容 | ・医療機関への求人提案 ・医師に対しての転職フォロー |
必要スキル | ・大卒以上 【以下のいずれか必須】 ・法人営業経験2年以上 ・医療従事者としての経験(看護師、理学療法士) |
勤務時間 | 9:30〜19:00 ※休憩90分 ※時間外労働あり |
休日・休暇 | ・年間休日数125日 ・週休2日(土日祝日) ・各種休暇あり(年末年始、慶弔、リフレッシュ) |
年収・待遇 | ・500万円〜750万円(月給:約35万〜53万円) ・昇給あり ・通勤手当 ・社会保険完備 ※賞与年2回 ※残業手当あり |
上記は、ドクター向けの某人材紹介会社の求人を抜粋したもの。平たく言うと、お医者さん向けの転職サイトですね。
「医療福祉」という括りと比べると、求人が出ていることは少なく、そのぶん年収などの待遇もいいですね!ドクターという「レアな人材」をサポートする仕事は、紹介の際の単価も高め。そのぶん、社員の待遇も高くなると思われます。
通常は「法人への営業経験」などがないと応募すらできない仕事ですが、看護師やPTとしての勤務経験がある人は積極的に採用しているようです。
年収は、やはり一般的な臨床PTよりかなり高め。
「医療の専門知識がある」ということが、病院やドクターをやりとりをする際の信頼につながるんですね。
PT資格を活かした「コンサルタント」の仕事
「理学療法士 コンサルタント」など
コンサルタント業の求人実例紹介です。「コンサル」という言葉はよく聞きますが、少しイメージが湧きづらいかもしれません。
ざっくり言うと「相談役」というか、専門知識を元に企業などへアドバイスをする役回りです。
理学療法士は医療の専門家ですので、医療関係のコンサルタント会社で雇用される可能性もあります。
以下、実例を紹介します。
コンサルタント職(クリニック開業)の求人例
職種 | コンサルタント職 |
勤務地 | 関東都心部 |
雇用形態 | ・正社員(転勤なし) ・リモートワーク可 |
業務内容 | ・クリニックの開業、経営コンサルティング ・開業、経営改善に向けたサービス提案 ・広告事業 など |
必要スキル | ※以下のいずれかの経験 ・幅広い商材の提案、営業経験 ・高額商材・個人別カスタマイズが必須な商品、サービスの販売 ・医療機関への提案業務 ・医療従事者(看護師、理学療法士など)としての業務経験 |
勤務時間 | 9:00〜17:45 ※休憩60分 |
休日・休暇 | ・年間休日数122日 ・完全週休2日(土日祝日) ・年間有休休暇17〜24日 ・各種休暇あり(年末年始、慶弔、育児、整理、特別) |
年収・待遇 | ・500万円〜1,000万円(月額約40万〜) ・年棒制 ・昇給あり ・残業手当あり(みなし残業で30時間固定+超過分は追加支給) |
上記は、某コンサル会社の求人を参考に抜粋したものです。
クリニックの開業や経営方針で悩んでいる、ドクターに対してアドバイスをする。なかなかにハードルが高そうな仕事ですが、なんと理学療法士の資格は重宝されるようです。
このような求人はさほど多くはないと思いますが、年収も高いですし、一度検討したくなりますね。
PT資格を活かした「開発」の仕事
PT資格を活かせる「開発業」の求人実例紹介です。
- 車椅子
- スロープ
- 介護食
- 介護用の服 …などなど
世の中には、福祉に関する製品がたくさんあります。ということは、もちろん誰かがその商品を「開発」しています。
そして、新薬などを開発する「治験」の現場でも、PTの医療知識が優遇されるケースがあります。
以下、実例の紹介です。
商品開発(医療介護分野)の求人例
「理学療法士 開発」など
職種 | 商品開発 |
勤務地 | 関東都心部(転勤なし) |
雇用形態 | ・正社員 |
業務内容 | ・医療、介護、健康分野での商品開発 |
必要スキル | ・【必須】理学療法士、作業療法士の資格 |
勤務時間 | 8:30〜17:30 ※休憩60分 ※時間外労働あり(月10時間程度) |
休日・休暇 | ・年間休日数122日 ・完全週休2日(土日祝日) ・年間有休休暇10〜20日 ・各種休暇あり(年末年始、夏季、産前産後、誕生日、育児、整理、特別永年勤続、特別) |
年収 | ・370万円〜450万円(月給制) ・賞与年2回 ・昇給あり ・残業手当あり(みなし残業で25時間固定+超過分は追加支給) ・その他手当(通勤、家族、住宅…など) |
上記は、某商品開発の求人を参考に抜粋したものです。
「理学療法士免許が必須」とハッキリ書かれていました。特別年収が高いわけではありませんが、商品開発という仕事は面白そうですよね。残業も少なめですし、こういう求人はチェックしたいところです。
商品開発…!興味あります!
商品開発(治験コーディネーター)の求人例
「理学療法士 治験」など
職種 | 治験コーディネーター(CRC) |
勤務地 | 某地方都市(転勤なし) |
雇用形態 | ・正社員 |
業務内容 | ・新薬開発の治験(臨床試験)におけるコーディネート ・医療機関関係者への説明会 ・治験参加者の選定、同意説明 ・スケジュール、ルールの管理 ・症例報告の作成 …などなど |
必要スキル | ・治験コーディネーター(CRC)に興味があり、以下に該当する方 ①薬剤師、看護師、保健師、助産師、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師、准看護師、理学療法士、作業療法士、臨床心理士の資格所持者(経験不問) ②MR・MS経験者 |
勤務時間 | ・フレックスタイム制(コアタイム9:00〜15:00) ※休憩60分 ※時間外労働あり(月13時間程度) |
休日・休暇 | ・年間休日数125日 ・完全週休2日(土日祝日) ・年間有休休暇10〜20日 ・各種休暇あり(年末年始、慶長、産前産後、育児、特別) |
年収・待遇 | ・約390万円〜440万円(月給制) ・賞与年2回 ・昇給あり ・残業手当あり(みなし残業で30時間固定+超過分は追加支給) |
治験コーディネーターは「一般企業」とはちょっと違うので、ここで紹介するか迷いました。でも、調査時にとても求人が多かったので紹介します。
治験コーディネーター(CRC)は、医療知識のある方が幅広く採用される仕事です。PTだけでなく、臨床心理士さんなども募集されています。PT臨床の現場に疲れた人は、検討してよい職種です。
ちなみに、この記事を書いている私は、バイトとして「治験(されるほう)」に参加したことがあります。確か、高血圧の薬かなにかの試験でした。数日間入院するのですが、採血時以外は自由時間。ゲームや漫画などで時間を潰す、ゆるい雰囲気です。経験上、治験の現場で働くドクターや看護師、CRCの方も「のんびりしてる」印象でした。そういう職場を求める人には良いのかもしれません。
【情報収集】PTが優遇される一般企業の求人を探す方法2つ
ここまで、僕が実際に見つけた「PT資格優遇」の一般企業求人実例を紹介しました。
でもやはり、PT求人の大半は病院や施設です。協会が発表しているPTの就職先は、医療・福祉の分野が70%以上を占めます。
ハッキリ言って、PTの一般企業求人はかなりレア。なので、求人情報を見逃さない為にも情報収集はきっちり行いましょう。
参考:理学療法士協会「統計情報」
抜けのない求人情報収集方法2つ
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- 「一般企業向け」の転職サイト・エージェントに登録する
- ハローワークの求人をチェック
情報収集①:「一般企業向け」の転職サイト・エージェントに登録する
一般企業への転職を考えている人は、「一般企業向け」の転職サイトや、転職エージェントを利用しましょう。
「リハ専門」の転職サイトに登録しても、一般企業の求人はほぼありません。
一般企業向けの転職サイト・エージェント
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- リクナビNEXT(転職サイト)
- リクルートエージェント(転職エージェント)
簡単にそれぞれの特徴を解説します。
リクナビNEXT(転職サイト)の特徴
- 転職サイトの代表格
- スカウトシステムで企業側からオファーが来る
- 自分で求人検索もできる
リクナビNEXTの特徴は「スカウトシステム」。匿名プロフィールに経歴や保持資格などを記載しておけば、企業側からメールでオファーが届きます。
リクナビは「PTを求めている企業」からオファーが来る可能性もありますね。でも、興味のない企業からもメールが来るかもしれません。そこはデメリットです。
自分の強みがわかる「グッドポイント診断」も面白いシステム。
リクルートエージェント(転職エージェント)の特徴
- 会員登録で担当エージェント(代理人)がつく
- エージェントが転職活動のサポートしてくれる
- 担当者のあたりはずれがある場合も
リクルートエージェントは、会員登録することで担当エージェントがつきます。
転職エージェントのシステム
担当エージェントが、転職のサポートをしてくれます。
転職エージェント利用の注意点
転職エージェントは担当者に当たり外れもあります。なので「合わない」と思ったら、退会や担当者変更などの対応をしましょう。求職者側は利用無料のサービスなので、気兼ねなく試せます。
※ちなみに、リハ職としての転職も検討している人は「PTOT人材バンク」など、リハ転職に特化したエージェントを選ぶ必要があります。下記の別記事で、特徴を詳しく解説しています。
情報収集②:ハローワークの求人をチェック
一般企業の求人も、なかにはハローワークにしかない求人もあります。
ネットでの求人検索は、ハローワークに登録していない人でも可能なので、こまめに求人をチェックしておきましょう。
フリーワードで「理学療法士」と入れると、PT関連の求人が一覧表示されます。
ハローワークでの詳しい求人検索方法は、下記の別記事で解説してます。
でも、ハローワークで「PTの企業求人」を探すのは正直、手間がかかります。リクルートエージェントなどに会員登録(無料)すれば、エージェントに求人情報を聞けるので、手取り早くてオススメです。
一般企業で理学療法士として働くことも検討しよう
以上、「PTの資格が活かせる一般企業」についての解説でした。
特にPTは、人員飽和に関するネガティブな話題がつきません。病院や施設以外にも、働き口があると思うと少し安心しますよね。
これからのPTは、病院・施設などに縛られず、もっと広い分野での活躍を検討するべきです。
リハノミライでは、その他にもリハビリ職の未来について考える記事を更新しています。参考にしてください。
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