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ラポール形成の基本テクニックと・信頼関係構築に使える心理学テク

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ラポール形成の基本:アイキャッチ
STツバメ

訪問STのツバメです。

僕は訪問リハビリで働いているので、いろんなお宅にお邪魔します。

訪問は週一回程度。人によってはなかなか信頼関係が築けずに苦労することもあります。

今回は、そんな信頼関係についての記事。

ラポール形成の基本と、応用して使える心理テクニックについてまとめました。

目次(クリックでジャンプ)

ラポール形成の基本と段階

人を指導したり誘導することをリーディングといいます。リードするということですね。
つまり、リハビリはリーディングです。

リードするためには、信頼関係が必要です。

この「信頼関係を築くこと」が、「ラポール形成」ですね。
そして、ラポールを形成するための手法として、ペーシングというものがあります。

例えばこんなステップを経て、指導が可能になるわけです。

ペーシング ラポール形成される リーディング(リハ指導)

代表的なペーシングの方法は3つ

ペーシングとは自分に共通点を感じてもらえるように、こちら側から相手に合わせていくこと、です。
相手のペースに合わせていく、という方がイメージしやすいでしょうか。

以下の3つの方法が代表的なものです。

①ミラーリング

相手の行動や表情を真似する。さりげなくがよい。
これは視覚情報に対するアプローチです。

例)相手が腕をくんだら、自分を腕を組む。相手が笑顔なら自分も笑顔に。

②マッチング

これは視覚情報でもなく、言語でもない情報に対するアプローチ。
つまりは声の調子を合わせるということです。

  • 声のトーン(高いか低いか)
  • 喋る速度
  • 声の大きさ
  • リズム

このような点を意識して、相手に合わせていきます。

③バックトラッキング

いわゆるオウム返し。単純なようで、悪い例やってしまいがちです。

いい例

「誰も来ないから不安だったよ」
→「誰も来ないと不安になりますよね」 ○

※相手の言ったことをそのままなぞる。

悪い例

「誰も来ないから不安だったよ」
→「寂しかったんですね?」 ×
勝手な解釈を加えてしまっている。

「誰も来ないから不安だったよ」
→「そうですね、焦っちゃいますよね?」 ×
意味は似てるが違う言葉を使っているので、きちんと伝わっているのか不安になる

介護や看護の現場でも使える心理テクニック

ラポール形成の基本をおさらいしたら、応用できそうな心理テクニックも押さえておきましょう。
これは僕が実際によく使うものなので、医療・福祉現場での使用例も書いておきますね。

単純接触効果

最初は興味がなかったり、むしろ苦手だと感じていたものでも、接触する機会が増えるにつれ好印象を抱くようになってくること。
世の中に溢れている「広告」などが、まさにこれですよね。
人間関係にも応用が効くもので、会う頻度が増えるほど相手に好印象を持つようになります。ザイアンスの法則とも。

病院や施設の現場だと、「担当の時間以外に声をかけに行く」とかですね。
僕は訪問リハなので、家族あてに電話をする機会を増やしたりします。
ここだけの話、わざと忘れ物をして後で取りに行くこともあります。

ハロー効果

なにかひとつでも「高く評価」している点があると、直接関係ない面の評価も高くなりやすいということ。
「英語がペラペラなAさん」は、英語が全く喋れない人からみると、直接英語と関係のない面においての評価も高くなりやすい。仕事ができそう、などの好印象を持たれる。

わかりやすい特技や実績があるなら、自己紹介にさりげなく加えると良いでしょう。
甲子園に出たことがある、絵画コンクールで入選したことがある、なんでもいいです。

STツバメ

自慢ぽくならないように注意が必要ですね。

傾聴

相手の話を深く聴いたり、話し方や表情、姿勢、しぐさといった言葉以外の部分に注意を払ったりすることで、相手を理解しようとすること。
相手を受け入れる「受容」と、話を聞いてその通りだと思う「共感」がポイントになります。

医療・福祉の分野ではよく聞く言葉ですが、効果は絶大です。
まず大前提として、誰かに自分の話を聞いてもらうことはとても気持ちよいことです。
科学的にも脳内に快楽物質(ドーパミン)が増えることがわかっています。

特にリハビリ職だと「今日はあの訓練をしなきゃ」となりがち。
どうも信頼関係が取れていないなぁ、という人には「思っていることを傾聴するだけの日」を設けてもいいと思います。

STツバメ

まず信頼関係を作ることが最優先です。

メラビアンの法則

人間が感情や気持ちを伝えるコミュニケーションをとる際、どの情報に基づいて「印象が決定されるのか」という研究に基づくもの。

【印象を決定する情報の割合】
視覚:55%、聴覚:38%、言語(話の内容):7

つまり人間は気持ちを伝える際に大部分は視覚情報に頼っているということです。
ついで多い聴覚情報というのも、言葉の内容でなく「話す速さや・声の大きさ」など、非言語の部分のことです。この点を意識して関わりを持つことでコミュニケーションが取りやすくなります。

  • 表情や身振り手振りを大きくするように心がける。
  • 相手から見やすい位置にいることをこころがける
  • イラストなど併用する
  • 話す速さや・声の大きさは相手に心地よいものに合わせる。

ウィンザー効果

第三者からの情報伝達は、信憑性や信頼感が増す」ということです。
要は口コミやレビューですね。アマゾンや食べログの点数を信用したくなる感じです。
もともとは小説の登場人物ウィンザー公爵夫人のセリフで、それが由来なんだとか。

患者さんからの評判がいいセラピスト
→上司からも信頼されやすい

同僚からの評判がいいセラピスト
→患者さんからも信頼されやすい

チームとして対象者に関わっているのであれば、メンバーのいいところを伝え合うだけでこの効果が生まれます。
「あの人は〇〇が得意ですよ!」「丁寧な人です」など、好印象なポイントは共有するといいと思います。

STツバメ

自分がいない場所でも名前を出してもらえたら、「間接的な単純接触効果」も狙えます。

リハビリ介入初期はラポール形成が必須です

以上、対人関係の仕事には必須の知識。ラポール形成についてと、応用として使えるテクニックでした。

僕が働いている訪問リハビリの現場では、相手の心理を考えることがとても大事です。
また、使えるテクニックがあれば追加していきますね。

訪問リハビリの実際については別の記事でも解説しています。

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