理学療法士の給料が高い「病院」ってあるんだろうか?
理学療法士の給料は、その大元が「診療報酬」であることが大半。なので、安定してた賃金が得やすい反面、給料に大きな差が出ずらい職種でもあります。
また、キャリアを重ねても給料アップしづらかったり、そもそも昇進のポストが少なくて「キャリアアップできない」という問題もありがちな職業。
そんな理学療法士の給料事情ですが「給料が高めな病院」があるのも事実。この記事では、どういった病院が給料高めの傾向にあるのか等について解説します。
理学療法士の給料が高い病院の例
まずは、理学療法士の給料が特に高い傾向にある病院を見ていきましょう。
- 国公立の病院
- 給与水準が高い地域の病院
- 経営状態が良い病院
- ブラック体質な病院
上記4パターンはPTでも高給与が期待しやすい病院です。逆に言うと、上記地方の民間病院では大きな差がないと言っていいでしょう。
公立病院をはじめ、特定の地域や経営状態が良い病院では、理学療法士の年収が上昇することが期待されます。また、逆にブラック体質な病院でも給料が高いこともあります。
ここでは、なぜこれらの病院で給料が高くなるのか、その理由を詳しく掘り下げていきます。
PTが生み出せる「売上(診療報酬)」には限界があるので、給与の差もつきにくいのが実情です。
国公立病院(国立・県立・市立病院など)
公立病院で働く理学療法士の給料は、しばしば民間病院よりも高めに設定されています。国立や県立、市立病院など、公的な資金で運営されるため、給料の安定性が高く、福利厚生も充実していることが多いです。
また、公務員扱いされる場合、給与体系が明確で長期的なキャリア形成を図りやすい環境が整っています。
着実に給与がアップする感じですね。
給料が高い地域にある病院
日本国内でも地域によって公務員の理学療法士の年収にかなりの差があることが知られています。
一般的に、東京や大阪などの大都市圏の病院では生活費の高さを反映して給料が高めに設定されています。また、これらの地域では医療需要が高く、理学療法士の専門スキルが高く評価されることもあります。
逆に、地方よっては「高い給料を提供して専門職を引きつけよう」とする場合もあります。大袈裟にいうと、孤島みたいなところとかですかね。数は多くないので、じっくりと求人をリサーチする価値があります。
経営状態が良い病院
病院の経営状態は、そこで働く理学療法士の年収に直接的な影響を与えます。経営が安定している病院では、資金の余裕が人材への投資に回されることが多く、結果として給料が高くなることがあります。
安定した経営状態のもとで働くことは、職員への定期的な研修の機会が増えることや、最新の医療機器に触れる機会が多いこと等、プロフェッショナルとしての成長にも繋がります。
ブラック体質な病院(要注意)
実は労働環境が悪い「ブラック体質」な病院でも、給料が高い場合があります。これは注意して頂きたい。
例えば、給料が高い代わりに「1日の単位ノルマが多い」「残業が多い」「不正請求が横行している」というような内情があるケースです。
こういった病院は、高めの給料で新卒を引きつけておいて、人材を確保。長期的に育成するつもりはなく「どうせ数年で辞めるから」と捉えているように思えます。
見分け方として言えば、リハ職の人員構成が「5年目以内」か「ベテラン」に二極化しているような職場は注意ですね。5年くらいで、大半の人が辞めている(辞めたくなる)職場だと、そういう人員構成になりがちです。
知り合いの病院(大手)でも「経験年数が長くなってきたら、特に理由がなくても左遷される」というような、嘘のような話があります。給与コストが上がってくるから、辞めたくなるように…なんて言われちゃってます。
理学療法士の給料が高い病院を探す方法
理学療法士として病院で勤務して、高い給料を得たい場合、どんなポイントが重要でしょうか。
より高い年収を目指す理学療法士のために、適切な病院の探し方について解説します。
月収よりも年収で考える
理学療法士として働く環境を選ぶ際に、単に月収が高いところを選ぶのではなく、年収で考慮することが大切です。
税金や社会保険の負担がどのようになっているのか、また、賞与がどれくらいの割合で支給されるのかも重要な判断材料です。
賞与と基本給のバランスが取れている病院を選ぶことで、長期的に安定した収入が見込めるため、急な出費にも対応しやすくなります。具体的には、就職先の選定時には、年間の総支給額をチェックし、可能であれば同じ地域の他の病院とも比較してみると良いでしょう。
知人から直接話を聞く
どんなに求人票を細かくチェックしても「なんか話が違う…」ということが起きてしまうのが日本の社会です。
そんななか、一番信用できるのは、その病院で「実際に働いている人」の意見です。一見、求人票では魅力的に見えないような病院が、入職してみると超絶ホワイト職場なこともあります。
実際に、知り合いの勤務先は超絶ホワイト職場にも関わらず「面接に来る人が少ない」と言っていました。
同期の話を聞いて「ここに応募すればよかった…」と思うことが多数あります。先輩の経由とかで、もっと情報収集すればよかった。
転職のプロに相談する
前述のとおり、求人票などをみただけで「病院の良し悪し」を判断することは、とても難しいです。
そのため、職場を変える際には「リハ専門の転職エージェント」に相談するのもおすすめです。
特に、給与や賞与については、本当の詳細まで公開されていないことも多いです。その為、病院の内部情報や医療業界に精通しているエージェントからの情報は非常に価値があります。また、転職のタイミングや面接対策といった面でも役立ちますので、転職を考え始めた際には早めに相談してみると良いでしょう。
病院以外で理学療法士の給料が高い職場
病院での勤務以外にも、理学療法士には収入が高い職場がいくつか存在します。
特に「訪問看護ステーション」での勤務や「養成校の講師」などは比較的高い報酬を得ることが可能です。これらの職場では、直接的な治療だけでなく、教育や管理などの役割も期待されることが多いです。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは、一般的な病院勤務と比較してPTの給与が高めのことが多いです。さらに、訪問件数やサービスの質によって追加のインセンティブが得られることもあります。
また、十分にスキルがあるのに「病院ではもう昇進のポストがない」なんて方も、新しく役職に就ける可能性が高くなります。
訪問看護ステーションで働く理学療法士は、仕事の魅力として「一人ひとりの患者とじっくり向き合える」という点もあります。自宅での生活に直接的に貢献できるため、患者からの感謝の声を直接聞けることも大きなやりがいとなるでしょう。
僕も訪問看護ステーションで働いていますが、利用者さんの生活に寄り添えるリハビリにはやりがいを感じることが多いです。
養成校の講師
理学療法士が養成校の講師として働く場合、その年収はしばしば臨床現場の職よりも高くなることがあります。
具体的には、300万円〜650万円程度が一般的で、場所や職位によってさらに高い場合も少なくありません。
養成校での仕事は、次世代の理学療法士を育てるという重要な役割を担っており、専門知識や経験を生かした教育が求められます。実際に技術を教えるだけでなく、学生たちの指導者として、また研究活動に携わることも多いです。
ただし、実際に養成校の講師をやっている友人曰く「給料は多少上がるけど、その分激務で大変…」だそうです。
理学療法士が自分で給料をアップする方法
給料の良い職場や、給料の良い病院に就職できていれば良いですが、そうでない場合は何か対策をしないと行けません。
ここではその方法をいくつか紹介します。
転職をする
給料が高い別の病院や、訪問看護師ステーションへ転職するのも一つの手です。
職場によっては年収が100万円単位でアップすることもあり、理学療法士にの年収アップ方法としては定番の方法です。
スキルを活かした副業をする
理学療法士はその専門知識を活かした副業にも挑戦することができます。
理学療法士の副業例
時給タイプの副業 | 非常勤勤務 アルバイト セミナー講師 ウェブライター |
ストック収入タイプの副業 | ブログ SNSでの発信 コンテンツ販売 YouTuber |
非常勤勤務や、臨時の講師などは手堅い収入源になりますよ。
地道に金融投資をする
資産運用もまた、理学療法士が年収を増やすための選択肢の一つ。
株や投資信託、不動産投資などを通じて、地道ながらも収入を増やす努力が求められます。リスクをしっかり把握した上で、長期的な視点を持って投資を行うことが大切です。
僕の知人も、地道に投資しています。数年で数十万単位で収益は出てるようです。
理学療法士の給料が高い病院は決して多くない
今回は、理学療法士の給料が高い病院について解説しました。
実際のところ、病院に勤めながら、高い給料をもらえるPTは決して多くありません。また、記事内でも触れましたが、給料が高い代わりにブラックな労働環境に置かれている場合も多々ありますので注意が必要です。
高い給料を求める方は、病院などでの経験を経て「訪問看護ステーション」に転職するのがおすすめです。PTが働く領域として、給料水準が高めな業界です。
また「転職が始めて」などで不安がある人は、転職エージェントにも相談してみましょう。リハビリ職専門の転職エージェントで、ひとつおすすめを選ぶとしたら「PTOT人材バンク」です。下記の記事を参考にして下さい。
実際、PTの働く領域は病院意外にもは多岐にわたります。その中で、どのような環境が自己のキャリアや生活スタイルに最適かをしっかりと見極めることが必要ですね。
これからの理学療法士には、病院等に勤める意外にもいろんな可能性があります。ブログ「リハノミライ」では、リハ職の働き方について発信中です。記事が参考になると嬉しいです。
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