訪問ST(言語聴覚士)のツバメです。
在宅医療の現場で、飲み込みやことばに困難がある方と関わっています。
今回は、在宅介護でよく話題に登る「とろみ剤」について。
油断するとダマになったりするものですが、ちゃんとルールを決めてしまえば大丈夫です。
病院での指導の通りにやってるはずなんだけど、うまくいかない。。なんて介護者の方は参考にしてみてください。
ダマになりにくいトロミの付け方紹介と、色んなパターンの比較もしていきます。
ダマになりにくいトロミの付け方
①乾いたコップにトロミ粉を入れる
乾いたコップを使う。いきなりとても大事なところです。
後述の比較でもわかりますが、濡れたコップにトロミ粉を入れると、ダマの原因ナンバーワンです。必ず、乾いたコップを使いましょう。
濡れたコップの場合は、先に飲み物を入れておくパターンの方がまだダマになりにくいですね。
②飲み物を入れる
飲み物を注ぎます。
先にトロミ粉を入れておく理由は、飲み物を注いだ勢いである程度トロミ粉が拡散されるからです。均一に広がりやすいので、ダマになりにくいのです。
③すぐに30秒ほどまぜる
飲み物を注いだらすぐに混ぜましょう。
実は混ぜるときはスプーンなど水平に動かした方がよく混ざります。
ぐるぐるとかき混ぜる方が多いですが、あれは流れるプールのように粉が回っている状態になりやすいです。
④とろみが付くまで待つ
きちんと待つ。おろそかにしてる人が意外と多いです。
とろみがちゃんと付くまでだいたい10分くらいかかります。
しっかり待たないと起きる悪い例
①思ったよりトロミ付いてない →②粉を足す →③ダマになる →④時間が経つとドロドロになる →⑤そんなの飲まない という地獄の対応。
しっかり待ちましょう。
思ったよりトロミが濃かった・うすかったときの対応
・とろみ濃度が濃かったとき → 水分を足すだけ
・とろみ濃度がうすかったとき → 濃い目に作った水分を別に用意して足す
この方法がベターです。
うすかったから、もっと濃くしたいな、と「トロミ粉を追加」してダマを作るシーンを幾度となく見てきました。
粉だとダマになるので、濃い目のトロミで濃度を調整するんですね。
正直手順としては面倒なので、濃度がいまいち定まらないときは濃いめに作って薄めるという方法をオススメします。
トロミ剤の使い方を4パターンで比較
前述した内容で、正しいとろみ剤の使い方はだいたい書いたかと思います。
実際にどれくらい違いがあるのか4パターンで比較してみます。
さきに結果を書いてしまうと以下の通り
① 乾いたコップ + 先に粉を入れておく = ダマなし
② 水分注いだコップ + 後から粉を入れる = ダマなし
③ 濡れたコップ + 先に粉を入れておく = ダマあり
④ 水分注いだコップ + 後から粉を入れる + ハンドミキサー = ダマなし
濡れたコップに粉を入れるパターンでのみダマができてしまいました。
あと今回は、ハンドミキサーが超速早いですよ!っていうもの伝えたかったので試しています。
詳しく知りたい方は読み進めてください。動画もあります。
使用したトロミ剤
今回使用したのはとろみエールのスティックタイプ。
割と雑に扱ってもダマになりにくい印象でした。優秀。
① 乾いたコップ + 先に粉を入れておく = ダマなし
ダマもなくきれい。
② 水分注いだコップ + 後から粉を入れる = ダマなし
あとで粉入れたし、混ぜ方もぐるぐるだったけど特にダマなし。とろみエールは優秀。
③ 濡れたコップ + 先に粉を入れておく = ダマあり
やはりこの方法はよくないようです。写真でわかりにくいかもですが、細かく白いダマができてしまいました。
④ 水分注いだコップ + 後から粉を入れる + ハンドミキサー = ダマなし
早いっ!
トロミ剤の使用はハンドミキサーで時短を
今回はダイソーで購入したものを使用。ハンドミキサー、混ぜるのが圧倒的に楽でした。
ダマにもなりにくいし、毎日の作業なので時短としてはかなり優秀。
介護は時間との戦いですよね。ひとつひとつ効率化できる助かりますよね。
↓こういう感じの小型のミキサーを持っておいてもいいかもしれませんね。
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それでは、よりよい在宅生活を。
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