
言語聴覚士のツバメです。
訪問リハビリという分野で、主に高齢者の食事のリハビリを担当しています。
みなさんは、下記のようなお悩みがありませんか?



高齢の両親が箸を使うのが難しくなっている…



介護用のお箸って、どこで買えばいいんだろう?
こういった悩みを持つ方は少なくありません。
高齢者は加齢とともに指先の力が弱くなり、箸の繊細な動きが難しくなることがあるんです。でも心配はご無用です。そんなときは、介護用品として開発された「介護用お箸」を利用してみましょう。
介護用のお箸は滑りにくい設計のものや、握りやすい形状のものなどがあります。最近は購入できる場所も増えていて、ネットショップや100円ショップでも手に入るようになっています。
この記事では、高齢者にお箸がうまく使えない理由や、おすすめの介護お箸などについて解説します。参考になると嬉しいです。
高齢者が箸をうまく使えない理由


高齢者が橋をうまく使えない理由
- 筋力の低下
- 手指の巧緻性(こうちせい=細かい運動)の低下
- 病気の影響
- 視力や認知機能の低下
まず、高齢者が箸をうまく使えない理由について触れておきます。
これは主に加齢による身体の変化が影響しています。高齢者は筋力だけでなく、巧緻性(細かい動作)の能力も低下します。
「箸の操作」は複雑な筋肉の動きが要求されます。高齢による巧緻性低下が、箸の扱いを難しくしてしまうんですね。
また他にも、視力や認知機能の低下によって細かい動作の精度が落ちる場合もあります。



脳梗塞後の麻痺や神経難病・認知症などの影響がある場合、このような問題はさらに顕著になります。
介護用お箸の種類と用途


高齢でお箸が使いづらくなったときは、介護用のお箸を検討しましょう。
具体的な商品を、特徴と一緒に紹介しますね。
すべりにくいお箸
「すべりにくいお箸」は、厳密には介護用のお箸とは言えないかもしれません。ですが、まず試してみてよい製品でしょう。
これらの商品は独自の加工が施されていて、箸先で食材が滑りにくくなっています。握力の低下や手指の動きの鈍さがある場合も食材をつかみやすいように配慮されているんですね。
また、箸先ではなくてグリップ部分に滑り止めが付いている箸ものもあります。こちらは手から箸がずり落ちにくいのが特徴です。
先が滑りにくいお箸
グリップ滑り止めのお箸
持ちやすいお箸
持ちやすい介護用お箸は「箸ぞうくん」というシリーズが有名です。訪問リハビリの現場でもよく登場する定番商品です。同僚の作業療法士(OT)さんも、よくこちらを発注してます。
箸ぞうくん
このタイプは箸同士がバネで繋がっていて、持ちやすさをサポートしてくれます。
箸がつながっているだけでなく、太めの柄や軽量素材を採用しているため、握力が弱い人でも無理なく使用可能です。



見た目を気にする方向けに、なるべく目立ちにくいシンプルなデザインのものも発売されています。
見た目がよい介護用お箸
介護用のお箸を使う以外の対処


お箸が使いづらい場合、対処法は様々です。決して介護用のお箸だけにこだわることはありません。
ご本人と相談して、以下のような対処法も検討してみましょう。
スプーンなどの食具も検討する


箸を使うのが難しい高齢者には、スプーンやフォークを使うことも検討してみてください。
特に介護用スプーンやフォークは、持ちやすさが考慮されて設計されています。手の力が弱い人でも、滑りにくく、しっかりと握ることができます。



自由に曲がるスプーンなどもあり、お箸よりも選択肢が豊富です。
介護用スプーンの記事はこちら


食べやすい食事を準備する


食事の際に箸をうまく使えない高齢者には、事前の準備で食事を食べやすくすることも重要です。
高齢者向けに食事を食べやすくする工夫は多数あります。例えば以下のような方法です。
食事を食べやすくする工夫
- 食事をやわらかく煮る(ご飯は軟飯)
- 食材を一口サイズに切る
- あんかけなどトロミを付ける
上記のような工夫が施された食事を「介護食」と呼びます。介護食というと「ペースト状の食事」などを連想しがちですが、形のあるものも含めて色々な段階があるんです。
最近は冷凍の宅配介護食も人気なので、まずはそちらを試してみてもいいでしょう。おすすめの宅配メーカーは「ウェルネスダイニング」です。別の記事で実食レポなどもしているので参考にして下さいね。


メーカー | ![]() ![]() ウェルネスダイニング ![]() ![]() |
総合評価 | 味・見た目のクオリティよし |
やわらかさ | 3種類 ・お箸ですっと切れる ・お箸で簡単にほぐせる ・スプーンでつぶせる |
味 | 味とコストを見た目のバランスが良い |
価格 | 一食あたり760円〜 |
おすすめできる人 | ・介護食作りに不慣れな人 ・忙しい日は冷凍食品を使いたい人 |
\ 注文は公式サイトから/


介護用お箸はどこに売ってる?


介護用お箸は、日常生活をサポートするための便利なアイテムです。
どこで購入できるの? と思う方向けに購入できる場所を紹介します。
Amazonなどのネットショップ
Amazonなどのネット通販でも、介護用品を手軽に購入できます。
豊富な種類の介護用お箸が検索でき、口コミや評価も参考になります。
また、類似の商品や関連商品が表示されるため、介護用のスプーンやその他の介護用品と一緒に購入するのも簡単です。特に忙しい人や近くに専門店がない人には、ネットショップがおすすめです。
介護用品専門のネットショップ(YAMASHITAなど)
ネットショップには介護用品の専門店もあります。
例えば「YAMASHITA」のネットショップには、豊富で専門的な介護用品が揃っています。
介護用のお箸だけでなく、他の介護用品や福祉用具も豊富に取り揃えられており、電話での問い合わせも可能です。



専門店ならではの品揃えとサービスが魅力ですので、一度サイトを覗いてみてください。
100均(ダイソーやセリア)


手軽に介護用品を購入できる場所として、ダイソーやセリアなどの100円ショップでも介護用お箸が手に入ります。リーズナブルな価格で手に入れることができ、手軽に試すことができるのが魅力。
ただし、十分な品質や機能が保証されているわけではないです。一度試してみてから判断すると良いでしょう。
一部ドラッグストア
一部のドラッグストアでも介護用お箸を取り扱っています。ただ、一般的には「レトルト介護食」や「とろみ剤」「成人用のおむつ」などがメインの取り扱い商品。お箸などの用品もあるような店舗は決して多くないです。
ドラッグストアではその他の介護用品や日用品もみることができるのが便利な点ですね。
高齢者がお箸を使いづらい時には適切な対応が重要


以上、高齢者とお箸の関係についての解説でした。
高齢者は、日常生活でお箸を使うことが難しくなることがあります。そんなときには、介護用お箸などを検討してみましょう。
言語聴覚士として介護の現場を見てきた私の経験からも、介護用のお箸を利用することは有効だと言えます。ただ、その他にも「食事を食べやすくする」ことや「姿勢の調整」など様々な対処法が存在します。
適切な対処法を見つけて、ご家族の生活をサポートしてくださいね。

