
言語聴覚士のツバメです。訪問リハビリの分野で働いています。
在宅で介護をされている方「牛乳にとろみ剤を使いたい」だけど上手くいかない。
そんなお悩みはないでしょうか。



あれ…牛乳にとろみを付けたいけど、うまくいかない…なんで?
高齢者の方の介護をしていると、飲み物にとろみをつけるのは日常的な作業。でも、牛乳にはなぜかうまくとろみが付かないと気づき、私に相談されることがあります。
実は牛乳にとろみが付かないのには、化学的な理由があります。
この記事では、なぜ牛乳にはとろみ剤がつきにくいのか理由を解説。具体的な対処法も紹介しますので、参考になると嬉しいです。
とろみ剤が牛乳につきにくい理由とは?


牛乳にとろみ剤を加えても、とろみがつきにくい理由には、牛乳自体の成分が関与しています。
牛乳には水以外に多くのたんぱく質や脂質が含まれています。とろみ剤は通常、水分を抱き込んで膨らむことでとろみを生じさせるものです。しかし、牛乳中のたんぱく質や脂質がこの過程を妨げるため、とろみがうまくつかないのです。
この現象は「とろみがつかない」というよりも「とろみつくスピードが遅くなっている」という方が正しいかもしれません。
牛乳にとろみを付けやすくする方法


牛乳にとろみをつけたいとき、いくつかの方法を試してみることができます。
以下に紹介する方法を参考にして、牛乳にしっかりとしたとろみをつけてみましょう。
牛乳にとろみを付けやすくする方法
- 乳製品に対応したとろみ剤を使う
- 二度混ぜ法を試す
- 小型のハンドミキサーの使用もおすすめ
乳製品に対応したとろみ剤を使う
とろみ剤にも種類があります。なので、牛乳にとろみを付ける際には、乳製品に対応したとろみ剤を選ぶことがポイントです。
上記の「つるりんこ」は牛乳や流動食に対応した商品。通常のとろみ剤とは異なり、たんぱく質や脂質が含まれる液体でもとろみが付きやすくなっています。
このような乳製品対応のとろみ剤を使うことで、効率的にとろみをつけやすくなります。試してみる価値ありです。
二度混ぜ法を試す
「二度混ぜ法」もとても効果的な方法です。もしかすると、介護施設などの現場でもあまり知られていない方法かもしれません。
二度混ぜ法の手順
- 通常と同じくとろみ付けをする(一度目)
- 5~10分放置する
- 放置した後にもう1分ほど混ぜる(二度目)
まずは、通常通りにとろみ剤を使います。スプーンで混ぜながら牛乳に投入し、1分間混ぜます。その後、5~10分間そのまま置きます。この放置する時間がとろみ剤にとって非常に大事です。
放置した後にさらに1分間混ぜると徐々にとろみがついてきます。これが二度混ぜ法です。
とろみ剤を追加してしまうと逆効果
とろみが足りないと感じて、ついつい粉を追加してしまうこともあるかもしれません。しかし、これは逆効果です。
とろみ剤を後からに加えると、ダマができやすくなり逆に飲みにくくなってしまうことがあります。目安量を守り、まずは二度混ぜ法などを試すようにしましょう。
小型のハンドミキサーの使用もおすすめ
水分にとろみを付ける際には、手早くとろみ粉を混ぜることが重要。牛乳にも同じことが言えます。
人力には限界があるので、ハンドミキサーを使うのも良いでしょう。


最近は100円ショップに小型のハンドミキサーが売ってあります。実際にとろみ付けに使ってみましたが、とても手早くとろみを付けることができました。こちらも試してみる価値ありです。
ダイソーのハンドミキサーを使ってみました
ちょっとした工夫で牛乳ににもとろみは付けられる


牛乳にとろみをつけるのが難しいと感じている人は多いかもしれません。ですが、ちょっとした工夫をすることで、きちんととろみは付けられます。
牛乳へのとろみ付けの工夫
- 牛乳に対応したとろみ粉を使う
- 二度混ぜ法を試す
今回ご紹介したポイントを押さえて、牛乳にもとろみをしっかりつけて、健康的な食生活をサポートしていきましょう。困っている人に少しでも役立てば嬉しいです。

