訪問リハビリの仕事で、高齢者の食事に関わっています。
いろんなご家庭、つまりは「介護現場」に足を運ぶ日々です。
…そんななか、いつも感じることがあります。
介護食の準備って大変すぎじゃない!?
普通の料理と比べて、介護食を作るのは物凄い手間ですよね。
もう、介護…疲れた…。
実際の訪問先でも、介護負担が大きくなりすぎないように「冷凍の介護食」の利用をオススメしています。
今回は、そのなかでも特にクオリティの高いメーカーをご紹介。
大塚製薬の「あいーと」です。
先に結論
5食〜10食程度の少量を試したいときは、Amazonや楽天を使った方がお得です。
公式のセットは6食からで、送料も高めです。
「あいーと」最大の特徴は、介護食と思えない見た目と味の良さ
あいーと最大の特徴は、その見た目と味の良さ。写真で十分に伝わると思います。
柔らかめの介護食では間違いなく、トップクラスです。
正直なところ、一般的に「介護食の見た目」は、あまりよろしくなく「食欲をそそらない…」ことも多いです。
ここまで美味しそうな介護食は少ないので、業界での知名度も高く感じます。
ドクターとの会話で「あいーとを試してみましょうか?」みたいに、商品名が出てきたりします。
その代わり、お値段も高めではあります。ちょっと「特別な介護食」ってイメージ。
柔らかさは「舌でつぶせる」「噛まなくてよい」の2タイプ。お弁当シリーズもある
- 舌でくずせるレベル(噛む力が弱い人向け)
・単品おかずシリーズ ・お弁当シリーズ - 噛まなくてよいレベル
あいーとの柔らかさは2段階。噛む力や、飲み込みの状態に合わせた介護食を選ぶことができます。
「かまなくてよい食事」2021年7月からの新商品で、その名の通り、噛む必要がない程に柔らかく処理されています。
かまなくてよいタイプの詳細&実食レポは下記の記事で解説してます!
あいーとには、おかず・お弁当から「うなぎ」や「おせち」など豊富な種類がある
あいーとがちょっと「特別な介護食」というイメージなのは、味と見た目のレベルが高いこと意外にも理由があります。
なんと、「うな重」や「おせち」などのメニューもあるんです。
定番メニューも、「牛肉の赤ワイン煮」「赤魚の素焼き 銀酢仕立て」とかがあって、凝った内容です。
あいーとのおかずを専門家が実食レポート
そんな、あいーとのおかず数点を実食しました。
感想をまとめると以下の通り
- 見た目のよさは天下一品
- 野菜類は舌でつぶせる程度に柔らかい(肉類はもう少し固め)
- タレなどにとろみが付いてるので、のど通りが良い
- 味付けはしっかり目
専門家的に気になるポイント
- クオリティは高いが、メニューによっては固さのバラ付きを感じる
僕は言語聴覚士なので、普段から色んなタイプの介護食を見ています。
正直なところ、冷凍タイプの介護食としては「あーいと」のクオリティは最高峰です。
しかし、メニューによっては品物ごとの固さのバラ付きも少し感じます。
例えば、「野菜は容易に舌でつぶせるのに、肉はちょっと固め」みたいな感じで、おかずのセットの中での差があります。
固すぎたときは、事前に潰しておくなどの対応をするといいですね。
タレ類には、とろみが付いているのでのど通りがいいです。
味付けは、しっかりと濃いめ。高齢者は味覚も低下してきます。濃いめの味付け方が、食を楽しめるのでいいと思います。
それぞれに、簡易的な固さチェッカー「カメルカ」でもチェックしました。
各メニューのさらに詳しい実食レビューはこちらの記事で解説しています。
あいーとの作り方の注意点。レンジは200W調理が推奨されている
あいーとは、電子レンジや蒸し器で「温めるだけ」の簡単調理。
しかし、電子レンジでの調理には注意点があります。基本的に電子レンジは200Wでの調理が推奨されているんです。
とても柔らかいので、弱い時間で「ゆっくり加熱する」必要があるんですね。
その他メニューによっては、500Wでの温め時間目安が表記されている商品もあります。
参考:あいーと単品シリーズの温め方(公式サイト)
参考:あいーと「各メニューの温め時間の目安」
少数のお試しセット注文は、公式や楽天よりもAmazonが安い
かなりハイクオリティな「あいーと」ですが、一品あたりのお値段はお高めです。
まずは、少量を試したいな…という場合、どこで買うのがお得なのか調べました。
あいーと5食セット
注文先 | 合計金額 | あいーとの値段 | 送料 |
---|---|---|---|
Amazon 5食セット | 3,816円 | 2,936円(1食587円) | 送料880円 |
楽天市場 5食セット | 4,043円 | 3,163円(1食632円) | 送料880円 |
公式サイト 6食セット | 4,481円〜5,507円 | 3,700円(1食616円) | 送料781〜1807円 |
あいーと公式での最小セットは6食からで、送料も高いんですよね。
あいーと公式での送料一覧
- 北海道 1096円
- 東北 781円
- 関東・甲信越 887円
- 北陸・中部・関西 991円
- 中国・四国 1096円
- 九州 1201円
- 沖縄 1807円
10食セット〜もAmazonで買えます
逆に「定期でずっと注文したい」というときは、公式の定期便が送料無料でお得になります。
試してみて気に入ったら、定期注文を検討しましょう。
あいーとのカロリーや栄養バランス。エネルギーを考えると、毎食おかず2品が必要
まず、「高齢者に必要な1日のエネルギー量」は1,500kcal程度がひとつの目安になります。
あいーとの「おかず単品」では、カロリーが70~110kcal程度。
仮に1品100kcalだとして、1食に2品で200kcal。
3食で600kcal:程度
ご飯と合わせて1日1350kcal程度。
ご飯軽く一杯(150g)は250kcal
3食で=750kcal
参考:あいーと「カロリー成分表」
冷凍食品なので、賞味期限が長い。最長で半年~11ヶ月程度
あいーとは冷凍食品なので、賞味期限が長いです。
メニューによって差があるようですが、単品だと短くても2ヶ月は持ちます。
あいーと単品シリーズの賞味期限 | あいーとお弁当シリーズの賞味期限 |
---|---|
商品到着から、約2~11ヶ月 | 商品到着から、約1~6ヶ月 |
※商品によって異なる。商品ごとに記載賞味期限の記載あり
注文はネットからが簡単。取扱店での店舗販売もあるけど、かなり少ない
注文はネットからが簡単です。
一応、販売をしている店舗もありますが、全国的にかなり少ないです。
【冷凍介護食】摂食回復支援食 あいーと 人気セット(5点セット)あいーとの専門的な柔らかさレベル。嚥下分類(学会分類)について解説
医療・介護の現場では、日本摂食嚥下リハビリテーション学会が定めた基準があります。
今回紹介した「あいーと」をこの学会分類に置き換えると以下のようになります。
分類 | あいーと:噛む力が弱くなった方向け | あいーと:噛まなくてよい |
---|---|---|
固さのイメージ | 舌でくずせる | 噛まなくてよい |
嚥下学会分類 | 分類「3」相当(固めのものもあり) | 分類「2-1」相当 |
お医者さんや言語聴覚士などとやりとりするときに、このような表現が使われるかもしれませんので参考にして下さい。
あいーとは、手軽に準備できる、ちょっと特別な介護食。うまく利用して、介護負担も減らしましょう!
以上、大塚製薬の「あいーと」について、言語聴覚士のツバメが解説しました。
あれこれ語りましたが、一番お伝えしたいことは…
使えるサービスはうまく利用して、介護の負担を減らして下さいね!
ということです。
また、味が良いので食べた本人も満足感があるでしょう。
また、介護の現場では「食べるくらいしか、楽しみがないから…」という言葉を良く聞きます。
「うなぎ」や「おせち」など特別な食べ物もあるので、きっとご本人の満足につながるでしょう。
正直、地域の配食サービスで作られたムース食となどは、「食べたくない・食欲が沸かない」という利用者さんも結構いるんですよね。
どうせなら、美味しいものを食べて欲しいですよね!
Amazonや楽天からの注文で試してみましょう。
【冷凍】介護食 あいーと 愛知県三河産 うな重 119g